上丸子天神町で古くから営業する銭湯「天神湯」が、2018年7月22日をもって廃業しました。
施設の老朽化や従業員の高齢化等によるもので、1953年3月の開業以来、65年以上に及ぶ歴史に幕を下ろすこととなりました。
今回はコメントで情報提供をいただきまして、現地を訪れてみました。
■上丸子天神町の「天神湯」
「天神湯」は、上丸子天神町の住宅街の中にありました。
この一帯にはあまり高い建物がありませんので、天神湯の煙突を比較的すぐに見つけることができます。
煙突は「丸子温泉」や「今井湯」などでイメージされる円柱ではなく、四角いのが特徴です。
煙突側は銭湯のバックヤード側で、出入口は反対側に回る必要がありました。
■「天神湯」の正面
「天神湯」の出入口は、住宅街の道路から少し奥まったところにありました。
著しく老朽化した木造建築というわけではなく、マンションと一体化した比較的現代的な建物です。
■廃業のお知らせ
その入口に掲示されていたのが「天神湯廃業のお知らせ」です。
1953年(昭和28年)3月の開業から65年の歴史を積み重ねてきましたが、
「設備及び従業員の老朽化ほか、諸般の事情により廃業を決めました。」
とあります。
前述の通り、現在の建物はどう見ても一度建て替えてマンションと銭湯の複合ビルになっていますから、設備の老朽化だけではなく、「従業員の老朽化(=高齢化)」に加えて「諸般の事情」が大きな要因としてあったのではないかと思います。
■「天神湯」出入口脇の「コーポシライ」の出入口
「天神湯」の出入口脇には、ビルの2~3階を占めるマンション「コーポシライ」の出入口があります。
こちらは賃貸マンションとして稼働しているようですから、元住吉の「祇園湯」などと違って、「天神湯」が廃業しても建物は当面残りそうですね。
■フルリニューアルした「今井湯」
■看板などがリニューアルした「丸子温泉」
武蔵小杉周辺では、「今井湯」が2018年4月26日にフルリニューアルオープンしたほか、「丸子温泉」も2016年に看板や店内の一部がリニューアルしています。
このあたりはまだまだ健在と思われますが、またひとつ、老舗の銭湯が中原区から姿を消すこととなりました。
このたび廃業した「天神湯」に関して、思い出深い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
街のひとつの記録として、本エントリを未来に残しておきたいと思います。
■2016年に廃業した「祇園湯」
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