2025 明治安田J1リーグ第34節
「川崎フロンターレ VS 清水エスパルス戦」が、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(等々力陸上競技場)で開催され、川崎フロンターレが5-3で勝利しました。
そしてこの試合では、
発達障がいのある子どもとその家族のための観戦イベント「2025 えがお共創プロジエクト」が行われ、
名願斗哉、神田奏真、フィリップ ウレモヴィッチ、ラザルロマニッチの4選手らも参加しました。
弊誌では今年もこのプロジェクトを密着取材させていただきましたので、お伝えいたします。
■川崎フロンターレらが障がい児の可能性広げる「2025 えがお共創プロジェクト」実施、笑顔いっぱい観戦体験
「えがお共創プロジェクト」は、川崎フロンターレがパートナー各社との協業により2019年から継続して取り組んできました。
感覚過敏などにより外出やスタジアムなどでのサッカー観戦が困難な小学生のお子さんとそのご家族を対象に、等々力陸上競技場でのサッカー体験を提供するというものです。
今回も
川崎フロンターレのほか、JTB・全日本空輸・富士通、保育雑誌等を出版する世界文化ワンダーグループが共催、障がい者向けの玩具等を販売するコス・インターナショナルが協力し、川崎市の後援のもとに開催されました。
発達障がいとは、脳機能の発達にかかわる障がいのひとつです。
言葉やコミュニケーション、集中することやじっとしていることが苦手であったり、読み書き・計算などの学習が苦手であったりなど、さまざまな個性があります。
こうした
発達障がいをもつ方は、日本に約48万人いるといわれています。
誰の身近にいてもおかしくない、決して少なくない数ですが、
一見して障がいであると識別しにくいことや、理解不足などにより「変わった人」「わがまま」などと誤解されてしまう場合があるようです。
また、発達障がいには大きな
音や強い光が苦手な「感覚過敏」を伴う場合もあり、前述の無理解なども相まって、外出を控えてしまうケースも多くあります。
「えがお共創プロジェクト」は、そんな発達障がいのある子どもたちの可能性を広げることを目的としています。
スポーツをひとつのツールとして活用し、そこに適切な配慮や思いやりを加えることで、子どもたちがスポーツを楽しんだり、それをきっかけとして社会とさらにかかわりを深めていく可能性を広げる取り組みです。
川崎フロンターレが掲げる、パートナーと協力を広げながら
「スポーツの力で地域社会にとって欠かせないインフラとなる」経営理念を体現しています。
■最初に配布される観戦ガイド
「えがお共創プロジェクト」では、
毎回当日の流れをわかりやすく、写真や絵柄で説明したガイドが配布されます。
誰しも環境変化にはある程度不安感を感じるものですが、特にサッカー観戦は非日常的な空間です。子どもたちにとって、
「このあとどんな場所に行って、どんなことがあるか」事前に理解しておくことが、安心感につながります。
■サポーターによる応援レクチャー
メインスタンドに集合後は、
最初にサポータ団体「川崎華族」のリーダーであるかいとさんによる応援レクチャーがありました。
「チャント」と呼ばれる川崎フロンターレの応援歌はシンプルな歌詞の繰り返しで、覚えやすくすぐに歌えるものが多くあります。
よく使う、代表的なチャントをかいとさんが優しく教えていました。
■重度障がいのお子さんも参加
前回に引き続いて、
重度障がい児のデイサービス施設「そらとわすくーる」のお子さんも参加されていました。
皆さんが着用しているユニフォームは、「そらとわすくーる」のお子さんによるアート作品をデザイン化したものです。
「えがお共創プロジェクト」に毎回加わっている全日本空輸のスタッフも、一緒に応援を練習します。
普段、さまざまなお客様に安心やくつろぎを提供されていらっしゃることから、子どもたちに接する姿も非常に安心感がありました。
■ららテラス武蔵小杉の「そらとわすくーる」アート作品展示
「そらとわすくーる」のアート作品は、年間を通じてららテラス武蔵小杉の4階に展示されています。
そのご縁で、今回の
「えがお共創プロジェクト」の協力者として、オリジナルユニフォームには「そらとわすくーる」と「ららテラス武蔵小杉」のロゴがプリントされていました。
■音が苦手な子は耳栓で安心
応援レクチャーに続いて
ピッチに出て選手の登場を待ちますが、サポーターの応援の声やMCのアナウンスなど大きな音がしますので、苦手な子は参加しなくても大丈夫です。
また
耳栓をして参加するなど、お子さんの個性にあわせて配慮することで、楽しむこともできたりします。
0か100かではなく、柔軟に対応することが大切ですね。
■ピッチでテンションも挙がります
■選手らのお出迎え
ウォーミングアップで、選手が登場してきました。
子どもたちとハイタッチして入場していきます。
選手に加えて
通訳の金さんやゴンさん(中山さん)らスタッフもハイタッチ。
中山通訳はお子さんに笑顔で語りかけるなど、クラブの皆さんに活動趣旨が浸透していることがわかりました。
■6階のセンサリールーム
選手のお出迎えのあとは、
メインスタンド 6階の「センサリールーム」に向かいます。
発達障がいにはさまざまな個性があり、前述の通り大きな音や強い光が苦手な「感覚過敏」を生じる場合がありますが、
センサリールームは、そんな個性をもった子どもたちでも落ち着いて感染ができるように配慮されています。
スタジアムの外気とはウインドウで仕切られていて、サポーターの大歓声などが緩和された状態で観戦できます。
■外側の観戦席も
■移動も自由です
大きな音が大丈夫であれば、センサリールームの隣にある外側の観戦席を利用することもできます。
こちらはサポーターの熱気を、よりダイレクトに感じることができますし、もし辛くなってきた場合でも、すぐセンサリールームに戻ることができるので安心です。
■応戦席からのメッセージ
■スタメン紹介もひらがな
試合開始前、
サポーターエリアから子どもたちへのメッセージが横断幕で掲出されました。
また
スタメン紹介なども、毎回ひらがな・かたかなになっています。またスタジアムのオーロラビジョンにはテラス席の子どもたちの映像も映し出され、皆さん喜んでいました。
このように
会場全体で歓迎されている、というムードが感じられることも、子どもたちが安心できるためには大切かと思います。
■スヌーズレンルーム
また、「えがお共創プロジェクト」は「じっと座って観戦」をしなければいけないものではありません。
センサリールームの一角には、
障がいがあっても受容しやすい視覚・聴覚・触覚・嗅覚などの感覚刺激を与える機器やおもちゃが配置された「スヌーズレンルーム」が設けられていました。
これらはコス・インターナショナルの協力によるもので、試合観戦などで刺激が強いと感じた場合、ここでリラックスできるようになっています。
■とっても落ち着けそう
こういう隠れ家のようなスペースは、皆さん好きですよね。
私も入ってみたくなりました。
■世界文化ワングループ協力による本・ぬりえコーナー
■「黒ぬりえ」
続いてこちらは、
世界文化ワンダーグループによるぬりえコーナーです。
同社が出版する発達支援の保育雑誌「PriPriパレット」から提供されたものです。
「黒ぬりえ」は、色がはみ出しても大丈夫なのが特徴です。
上手く塗れなくても出来栄えに満足でき、達成感が得られることでポジティブな気持ちにを促進するようになっています。
■全日本空輸 の方も優しく寄り添う
全日本空輸では障がいをお持ちの方も含め、さまざまなお客様に安心して搭乗いただくための「ユニバーサルサービス」の資格制度を整備しています。
今回参加されたアテンダントの方も、これを取得されているとのことでした。
■富士通による感覚過敏体感VRゴーグル
こちらは、
富士通による感覚過敏を体感できるゴーグルです。
あちこちを見回して、本当にその場にいるかのような体験ができます。
感覚過敏の方にとってどのように世界が見えているのか、なぜ苦手と感じるものがあるのか、理解が深まります。
この動画はYoutubeでも公開されていますので、記事未尾よりご参照ください。
■川崎フロンターレのグッズ出張販売も
川崎フロンターレのグッズも、一部ですが出張販売していました。
グッズショップは結構混雑しますが、ここなら落ち着いて買えますね。
■お願い事はイラストでわかりやすく
また
子どもたちへのお願い事や注意事項は、前掲の観戦ガイドにも記載されているほか、現地にもイラストで分かりやすく掲示されていました。
トイレの中についても、受付で配られた観戦ガイドに写真入りで掲載されるなど、細やかな配慮が行き届いています。
■選手らと記念撮影タイム
そして今回は、
神田奏真選手、名願斗哉選手、ラザル ロマニッチ選手、フィリップ ウレモヴィッチ選手の4人がセンサリールームに来てくれました。
記念撮影に続いて、サイン会も実施。
喜ぶ子どもたちに、選手らは温かく接していました。
■ふろん太・カブレラと記念撮影タイム
選手らに続いて、
マスコットキャラクターのふろん太とカブレラもやってきました。
この日は川崎フロンターレ恒例のハロウィンイベント「KAWA ハロー!WIN PARTY」が開催されましたので、ふたりともハロウィン仕様での登場となりました。
■川崎フロンターレの得点で盛り上がり
この日の試合は、
川崎フロンターレが先行する展開。冒頭にお伝えした通り5-3での勝利となりました。
得点が入るたびに、皆さん旗を振って盛り上がっていましたね。
勿論 5-0が理想ではありますが、普段観戦していない方からすると、両クラブ計8得点が飛び交い最終的に勝利するというのも、常に動きがあって悪くない展開だったかもしれません。
■試合終了後には本などのプレゼントも
試合終了後には、世界文化ワンダーグループの本などのプレゼントもありました。
子どもたちや、保護者の皆さんにお話を伺うと皆さん
「楽しかった」ということで、こ
うしたポジティブな記憶が残ることでまた外に出てみたい、何らか行動してみたいという気持ちにつながります。
過去の参加者の方からは、実際にそのようなお話も伺っておりました。
川崎フロンターレのこれまでの発達障がいのある子どもたちに向けた取り組みは、
2020年5月にJリーグの社会連携プロジェクト「シャレン!アウォーズ」のチェアマン特別賞を受賞しています。
「シャレン!」とは、Jリーグがより豊かな社会を共創していくための取り組みで、「社会連携」を略した言葉です。3者以上の協力により、幅広い社会テーマに取り組むものです。
スポーツの力で社会に欠かせないインフラとなることを目指す、川崎フロンターレが目指す姿でもあります。
■武蔵小杉ライフ公式Youtubeチャンネル 川崎フロンターレらが発達障がい児らの可能性広げる「2025えがお共創プロジェクト」開催、笑顔いっぱい観戦体験
また今回も、
「2025えがお共創プロジェクト」レポート動画を武蔵小杉ライフ公式 Youtube チャンネルで公開いたしました。
イベントの流れや雰囲気 4人の選手らとの交流タイムの様子がよくわかり、さらに
名願斗哉選手と神田奏真選手の囲み取材も収録していますので、どうぞご視聴ください。
【関連リンク】
・
そらとわすくーる ウェブサイト
・
川崎フロンターレ公式Youtubeチャンネル 感覚過敏の疑似体験VR
・シャレン!Jリーグ社会連携ウェブサイト 2020Jリーグシャレン!アウォーズ・Jリーグチェアマン特別賞『発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム/川崎フロンターレ』活動レポート
・川崎フロンターレ 「発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム」の取り組み 2020Jリーグシャレン!アウォーズ「Jリーグチェアマン特別賞」受賞のお知らせ
(えがお共創プロジェクト関連)
・2020/6/18エントリ Jリーグ社会連携で表彰、川崎フロンターレの「発達障がい児向けサッカー×ユニバーサルツーリズム」番外編トークイベント開催レポート
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2020/11/22エントリ 川崎フロンターレが11/21大分戦で開催、「発達障がい児向け親子サッカー教室&パブリックビューイング」密着取材レポート
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2021/11/21エントリ 川崎フロンターレ・川崎市・JTB・ANA・富士通らが「2021えがお共創プロジェクト」開催、等々力陸上競技場で発達障がい児向けサッカー教室やパブリックビューイング実施
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2022/3/13エントリ 川崎フロンターレ・富士通が「街歩きバリアフリーマップ」で等々力陸上競技場までのアクセス情報を提供、車いすでの来場取材レポート
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(富士通フロンティアーズのセンサリールーム関連)
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