武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

川崎市中原区の再開発で変貌する街・武蔵小杉のタウン情報サイト『武蔵小杉ライフ』の公式ニュースブログ。街の最新情報やさまざまな話題をご紹介します。

2016年
09月02日

川崎市市民ミュージアムで「描く!マンガ展」が開催中、地元企画「ねこのしっぽ展示」「デリーター画材体験」や漫画ワークショップも展開

【Reporter:たちばな】

川崎市市民ミュージアムで、2016年9月25日(日)まで「描く!マンガ展」が開催されています。

■川崎市市民ミュージアムの「描く!マンガ展」
川崎市市民ミュージアムの「描く!マンガ展」

「描く!マンガ展」は、「描く」「人に見せる」「たのしむ」という、マンガの本質に着目し、人気漫画家の作画技術や時代背景の変化等にも光をあてる企画展です。

今回は赤塚不二夫、手塚治虫、藤子不二雄Aなど20世紀を中心に活躍した巨人たちをはじめとして、PEACH-PITなど現代の漫画家の原画等も展示を行っています。

■さいとう・たかを「ゴルゴ13」
さいとう・たかを「ゴルゴ13」

「描く!マンガ展」の特徴のひとつは、展示エリアの大部分が「撮影OK」になっているということです。
こちらはさいとう・たかを氏の「ゴルゴ13」です。

超一流のスナイパー・デューク東郷(通称ゴルゴ13)の活躍を描いた劇画作品で、小学館の「ビッグコミック」において現在も連載中です。
1968年の連載開始から50年近くが経過し、コミックスが180巻を越える超大作です。

壁面にコミックスを並べると、圧倒されます。

■ゴルゴ13が使う「M-16」
ゴルゴ13が使う「M-16」

■さいとう・たかを氏の原画
さいとう・たかを氏の原画

■漫画家・田中圭一氏による作画の解説
作画の解説

本企画展では、原画の展示だけでなく、漫画家・田中圭一氏による作画の技術的な解説も随所に挿入されています。

■島本和彦氏の作画解説
島本和彦氏の作画解説

田中圭一氏の技術的な解説は決して難しいものではなく、例示された絵を見れば感覚的にわかるようになっています。

■島本和彦氏の「アオイホノオ」
島本和彦氏「アオイホノオ」

解説にある島本和彦氏といえば、漫画家志望の青年が悩み、のたうち回る青春を描く「アオイホノオ」が連載中です。

■竹宮恵子氏「風と木の詩」
竹宮恵子氏「風と木の詩」

竹宮恵子氏「風と木の詩」

さいとう・たかを氏のきわめて男性的な絵柄から一転して、少女マンガの名作、竹宮恵子氏の「風と木の詩」です。

学校の寄宿舎を舞台にしたいわゆる「ギムナジウムもの」の代表的な作品で、少年愛が大きなテーマになっています。

1976年から1984年にかけて描かれ、同時期以降の作品に大きな影響を与えました。

■「風と木の詩」のクロッキーノート
「風と木の詩」のクロッキーノート

■実際の雑誌掲載
実際の雑誌掲載

本企画展では、「風と木の詩」のクロッキーノートや、雑誌掲載された完成品も展示されていました。
こうしてみると、実際の作画プロセスの一端がわかります。

■市民ミュージアム「マンガライブラリー」の「風と木の詩」
「風と木の詩」 

なお、市民ミュージアムの「マンガライブラリー」には「風と木の詩」が収蔵されており、自由に読むことができます。
「マンガライブラリー」については2016/6/23エントリでご紹介しておりますので、ご参照ください。

■本企画展内の閲覧コーナー
本企画展内の閲覧コーナー

本企画展内の閲覧コーナー

また、「マンガライブラリー」だけでなく、本企画展の会場内にも、閲覧コーナーが設置されていました。
こちらには「ゴルゴ13」がずらりと並んでいました。

■アニメ誌・アニパロ投稿誌
アニメ誌・アニパロ投稿誌

アニメ誌・アニパロ投稿誌

マンガのカルチャーの歴史を振り返る上で外せないのが、マンガ作品を題材に愛好家などが創作活動を行う「二次創作」です。
人気漫画家の原画等とあわせて、「アニメ誌・アニパロ投稿誌」のコーナーも設置されていました。

「アニパロ投稿誌」とは、当時の人気アニメ・漫画等を元ネタにしたパロディーを投稿する雑誌で、代表的な雑誌に「ファンロード」などがありました。

■同人誌専門印刷会社「ねこのしっぽ」コーナー
同人誌専門印刷会社「ねこのしっぽ」コーナー

同人誌専門印刷会社「ねこのしっぽ」コーナー

近年では、「アニパロ投稿誌」よりも、「同人誌」のほうが言葉としては一般に知られているように思います。
新丸子には同人誌専門の印刷会社「ねこのしっぽ」があります。

同人誌に携わる愛好家の間では有名な会社で、本サイトでも高津区下野毛の玉川工場2015/6/1エントリで簡単にご紹介しておりました。

■作画機材の体験
作画機材の体験

作画機材の体験

かつてのマンガ製作は紙とペンによるアナログでしたが、現在はペンタブレット等を活用したデジタル製作が広がっています。
そんなデジタル製作の機材も、会場で体験できるようになっていました。

■「デリータ―」の画材体験
「デリータ―」の画材体験

■「デリータ―」の画材でカラーリングした作品
「デリータ―」の画材でカラーリングした作品

川崎市多摩区には、マンガ等の画材専門メーカー「デリータ―」があります。
同社はイトーヨーカドー武蔵小杉駅前店の「川崎市商品フェア」にも出店しており、2016/5/22エントリでご紹介しておりました。

同社のカラー画材は非常に発色がよく、プロの漫画家にも愛用されているということです。
そのデリータ―のカラー画材を使って、塗り絵を楽しめるコーナーがありました。

■会場外のミュージアムショップ
会場外のミュージアムショップ

■会場外の展示
会場外の展示

さらに、本企画展の会場外にも、ミュージアムショップでの関連マンガグッズ販売や、関連の展示があります。
こちらは入場料はかかりません。

少女誌「なかよし」の表紙の歴史を振り返る展示などは、なつかしく感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。


以上、展示のごくごく一部のみご紹介いたしました。

この展示に加えて、川崎市市民ミュージアムではマンガ関連のワークショップも開催しています。
定員のある企画は多くがすでに満席となっていますが、一部まだ申し込みが可能な抽選企画や、当日先着順の企画もありますので、ご関心ありましたらどうぞご参加ください。

■川崎市市民ミュージアム 描く!マンガ展
http://www.kawasaki-museum.jp/exhibition/drawing-manga/

■なかよし編集部が行く!―最強まんが教室
内容 企画展「『描く!』マンガ展」の関連イベント。少女マンガ雑誌『なかよし』の編集部が特別出張!『なかよし』でデビューしたマンガ家・伊藤みんご先生をゲストに、プロまでの道のりや漫画の描き方の基本を学べます。
日時 2016年09月18日 14:00-16:00
会場 3F体験学習室
対象 小学生以上
定員 20名(要・事前申込。申込多数の場合は抽選)
講師 伊藤みんご(『なかよし』掲載作家)、なかよし編集部
特別協力 デリーター株式会社
参加費 無料
申込方法 下記申し込みページからお申込みください。
申し込みページ
応募締切 9月4日(日) ※往復はがき・FAXでのお申込みも受付。
講師プロフィール 伊藤みんご(『なかよし』掲載作家)
3月21日生まれ、おひつじ座のAB型。『眠れぬ姫に君』で「なかよしラブリー」(2008年秋の号)よりデビュー。

■マンガお絵かき教室
内容 企画展「『描く!』マンガ展」の関連イベント。東京工芸大学マンガ学科の学生が「マンガを描く」第一歩をサポートします。マンガ制作に実際に使われている画材も体験できます。
日時 2016年09月10日 14:00-16:00
会場 1F 逍遥展示空間
対象 どなたでも
※未就学児は保護者同伴
定員 20名程度(当日先着順)
講師 東京工芸大学マンガ学科
特別協力 東京工芸大学
参加費 無料

「描く!マンガ展」関連のワークショップでは、上記2つがまだ申込または参加可能かと思います。

「なかよし編集部が行く!―最強まんが教室」は申込者多数の場合は抽選であり、プロの漫画家さんが講師となるだけに倍率が高いかもしれません。
「マンガお絵かき教室」は、先着順ですので早くから行けば参加できるでしょう。

川崎市市民ミュージアムは、これまでにもご紹介した通りマンガなどのサブカルチャーの資料収蔵や企画展にも力を入れています。

同ミュージアムらしい企画として、ご紹介してみました。

【関連リンク】
川崎市市民ミュージアム ウェブサイト
2016/5/22エントリ イトーヨーカドー武蔵小杉駅前店の「川崎市商品フェア」で体験、「川崎市産」「川崎市製」の商品たち
2015/6/1エントリ 武蔵小杉駅東口に新設「キヤノン玉川事業所直行バス」で行く、下野毛の工場街(後編)
2016/4/23エントリ 武蔵小杉に、実は存在する名画座。「川崎市市民ミュージアム」映像ホールがリニューアルしデジタルシネマを上映中
2016/4/28エントリ 川崎市市民ミュージアムの「トーマス転炉」が語る、川崎の鉄鋼産業史
2016/6/23エントリ 川崎市市民ミュージアムの「ミュージアムライブラリー」に収蔵、充実の「マンガライブラリー」
2016/8/19エントリ 川崎市市民ミュージアム・中原区役所で「シン・ゴジラ」コラボ企画「ゴジラの足跡を探そう!~映画のワンシーン画像をGET!~」を期間延長開催

Comment(0)