矢向駅から武蔵小杉駅間の約4.5kmを高架化し、9箇所の踏切を解消するこの大規模プロジェクトについて、向河原駅や平間駅周辺など沿線に事業案内が掲示されました。
■南武線連続立体交差・関連道路整備事業案内が沿線に掲示、向河原駅・平間駅などのイメージも

弊紙では2023年に、本事業の環境影響評価(環境アセスメント)に関する動向をお伝えしておりました。
その後2025年1月17日に神奈川県から都市計画事業認可を受け、2039年度までの南武線の高架化及び2042年度までの関連する都市計画道路(南武線に隣接・交差する道路)の完成を目指して、それぞれの事業が着手されていたところです。
■JR南武線平間駅

■平間駅前の事業案内と、平間駅前踏切
そして現在、平間駅や向河原駅の近くに、黄色い縁取りが目を引く大きな看板が設置されています。
「JR東日本 南武線連続立体交差事業及び関連道路整備事業」と題され、事業の目的や期間が記されています。
■平間駅前の事業案内
■都市計画事業認可の概要
| 都市計画事業の種類及び名称 | 事業施行期間 | 事業地 |
|---|---|---|
| 川崎都市計画都市高速鉄道 | ||
| 東日本旅客鉄道南武線 | 令和6年度~令和21年度 | 川崎市幸区塚越3丁目、塚越4丁目、東小倉、小倉、鹿島田1丁目及び鹿島田2丁目地内、中原区上平間、田尻町、北谷町、市ノ坪、中丸子、下沼部、上丸子、上丸子山王町2丁目、新丸子東2丁目及び新丸子東3丁目地内 |
| 川崎都市計画道路 | ||
| 矢向鹿島田線 | 令和6年度~令和24年度 | 川崎市幸区塚越2丁目、塚越3丁目、塚越4丁目、東小倉、小倉、鹿島田1丁目、鹿島田2丁目及び鹿島田3丁目地内、中原区上平間、田尻町及び市ノ坪地内 |
| 塚越南加瀬線 | 令和6年度~令和24年度 | 川崎市幸区塚越3丁目及び東小倉地内 |
| 大田神奈川線 | 令和6年度~令和24年度 | 川崎市幸区鹿島田3丁目地内 中原区上平間、田尻町、北谷町及び市ノ坪地内 |
| 区画街路13号線 | 令和6年度~令和23年度 | 川崎市中原区田尻町地内 |
| 区画街路14号線 | 令和6年度~令和24年度 | 川崎市中原区北谷町、市ノ坪、中丸子及び下沼部地内 |
| 南武線沿道1号線 | 令和6年度~令和22年度 | 川崎市幸区塚越1丁目、塚越3丁目及び東小倉地内 |
| 南武線沿道2号線 | 令和6年度~令和22年度 | 川崎市幸区小倉及び鹿島田1丁目地内 |
| 南武線沿道3号線 | 令和6年度~令和23年度 | 川崎市幸区鹿島田1丁目地内 |
| 南武線沿道4号線 | 令和6年度~令和22年度 | 川崎市幸区鹿島田2丁目地内 中原区上平間地内 |
| 南武線沿道5号線 | 令和6年度~令和23年度 | 川崎市中原区上平間及び田尻町地内 |
| 南武線沿道6号線 | 令和6年度~令和24年度 | 川崎市中原区北谷町、中丸子及び下沼部地内 |
看板の左側には、事業認可の概要がまとめられています。鉄道の高架化については、令和6年度(2024年度)から令和21年度(2039年度)までを事業施行期間としています。
また、鉄道と並行して「南武線沿道1号線〜6号線」といった側道の整備や、大田神奈川線などの主要道路の整備も令和24年度(2041年度)までに並行して進められる計画であることが分かります。
■事業区間の平面図


看板に掲載された平面図を拡大してみます。今回の事業区間は約4,560mにおよびます。
図の中には、現在解消が待ち望まれている踏切が赤い丸印で示されており、鉄道が街を分断している現状をどう変えていくかが描かれています。
また、縦断図では、現在は地上を走っている線路が、高架橋によって空へと持ち上げられる様子が視覚的に示されています。
高架化によって、踏切待ちによる渋滞や事故の危険性が大幅に軽減されることが期待されます。
■高架化された平間駅のイメージ図

看板には、将来の「平間駅」周辺のイメージ図も掲載されていました。
駅舎が高架化され、その下を道路が通り抜ける様子が描かれています。
これはあくまで現時点でのイメージであることをご承知おきください。
■向河原駅前の事業案内

そしてこちらは、JR南武線向河原駅前の事業案内です。
基本的な掲載内容は同じですが、イメージ図は平間駅ではなく、勿論向河原駅のものになっています。
■高架化後の向河原駅のイメージ図

イメージ図をさらに詳しく見てみると、高架下にはゆとりある歩行者空間や広場のようなスペースも見受けられます。
単に線路を上げるだけでなく、周辺の街づくりと一体的に進められることと思います。
■現在の平間駅前踏切

ここからは、実際に解消される予定の踏切を現在の姿で振り返ってみましょう。
中原区内の平間駅から向河原駅まで、順番に北上していきます。
まずこちらは、平間駅前踏切です。
平間駅を出てこの踏切を渡って直進すると、府中街道に突き当たります。反対方向は南武沿線道路やガス橋につながり、非常に交通量の多い踏切となっています。
ここで南武線の黄色い車両が通り過ぎるのを待つ光景も、この街の日常の一部ですね。
開かずの踏切として知られる場所も多く、高架化が待ち望まれる一方で、今のこの距離感で電車を見られる景色も、少しずつ貴重なものになっていくのかもしれません。
■中丸子第一踏切

続いて、こちらは「中丸子第一踏切」です。住宅街の細い路地を結ぶ踏切ですが、こうした小さな踏切もすべて除却の対象となっています。
■中丸子第二踏切

さらに北へ進むと「中丸子第二踏切」があります。
写真奥は川崎市立玉川中学校で、すぐ隣には川崎市立橘高等学校もあります。
中丸子第一踏切と第二踏切は至近距離です。
■中丸子第三踏切

そして「中丸子第三踏切」です。
看板の図面でも示されていた通り、平間駅から向河原駅にかけては線路沿い両側には側道も整備される予定ですので、踏切の解消とともに街全体の回遊性が高まりそうです。
■向河原駅前踏切

最後に、「向河原駅前踏切」です。駅のすぐそばにあり、小学校の通学路でもあるため常に多くの歩行者や自転車が行き交うこの場所も、将来は踏切のない風景へと変わります。
先日はこの場所で、死亡事故がありました。
事業期間はまだまだ長い道のりではありますが、連続立体交差事業によって、安全性が高まることが待ち望まれています。
■沿線は住宅密集地

なお、沿線は住宅密集地であり、高架化と側道の整備には用地取得が必要となります。
2023年の環境アセスメントの説明会では、用地取得開始から5年での工事着工を想定したスケジュールが示されていましたが、これに関して余裕を持った「堅い見通し」なのか、他の道路拡幅等の用地取得の例を鑑みると現実的には厳しいのか、質問がありました。
川崎市建設緑政局より回答があり、指摘の通り道路拡幅等で十数年など時間を要する事例があることにも言及しつつ、5年というスケジュールは実際にはかなり厳しい日程とは考えているという、現時点での受け止めを説明されていました。
そうしますと2039年の高架化完成はずれ込む可能性が相応にあると、考えておいた方が良さそうです。
【関連リンク】
・川崎市 JR東日本南武線の連続立体交差化に着手します
・2023/2/7エントリ JR南武線連続立体交差事業(矢向~武蔵小杉間)アセス説明会が開催:高架化3駅は8両編成余地確保、現行2040年完成予定での用地取得は厳しい見通しも
(向河原駅関連エントリ)
・2010/10/11エントリ 向河原駅のNEC専用改札口
・2011/2/23エントリ 南武線快速電車運行開始ポスターと、踏切横断注意
・2011/8/3エントリ 御幸踏切の馬頭観音
・2011/8/9エントリ 向河原駅前踏切を2倍近く拡幅へ
・2010/10/12エントリ 開かずの御幸踏切と、隣接の歩道橋
・2012/3/8エントリ 開かずの「御幸踏切」の歩道橋改修
・2014/7/20エントリ JR南武線向河原駅前の踏切拡幅工事が完了し供用開始
・2015/12/2エントリ 戦火に消えた、南武線の駅。玉川中学校・橘高校前の「武蔵中丸子駅」跡地探訪
・2016/4/25エントリ JR向河原駅から延びる、歴史の遺構。「市ノ坪短絡線」廃線跡の緑道を巡る
・2018/10/16エントリ JR東日本向河原変電所から、NEC玉川事業場まで続く「送電鉄塔中原線」をめぐる
・2018/11/17エントリ 武蔵小杉再開発地区から下沼部小への通学路で安全向上取組中。踏切拡張に続き歩道にグリーンベルト設置、同小PTAが見守り活動を継続
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・2019/6/30エントリ 向河原駅前の「開かずの踏切」迂回路が歩行者・自転車専用で本日供用開始、アンダーパス側から地域住民や玉川中生徒らが通行



























































































