広がる支援の輪
東日本巨大地震から1週間が経ちました。
いまだに体感できる余震がいく度も続いており原発の状況もなかなか
終息が見えないなど不安な状況が続いています。
ここ武蔵小杉周辺においても計画停電による生活への影響や公共
交通機関の規制、ガソリンや一部生活物資の品薄による入手難など、
日々の生活においても少なからぬ影響が生じていることと思います。
一方で連日報道されている被災地現地の状況は今なおもって深刻な
ものであり、テレビや新聞などの報道を通じた情報でしか分かり
ませんが、とても見ていられないような状況を窺い知ることが
できます。
繰り返しになりますが、既に地震から一週間が経過しています。
いまだに衣食住すらままならない極寒の地で、実際に過されている
人達や現地でボランティアの活動されている方々の状況は想像を
絶するものがあることでしょう。
そんな中で地域においても、「自分達で出来ることを」と活動されて
いる方々がいます。今回はそんな人たちを追ってみました。
全国で活動を展開する青年会議所の地域組織、川崎青年会議所
(JCI)では被災地に向けての支援物資提供活動を実施しています。
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■川崎青年会議所
http://www.kawasaki-jc.or.jp/aboutus/index.html
■最近の活動報告 被災地に向けて2回目の支援物資提供
http://www.kawasaki-jc.or.jp/action/march-2011.html#110319
■支援物資のお願い(PDFファイル)
http://www.kawasaki-jc.or.jp/project/citizens_ask.pdf
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この青年会議所のメンバーが地域のコミュニティに支援を呼びかけ
その活動の輪が広がっています。
この呼びかけを受けて再開発地域にあるマンションの一つ、
レジデンス・ザ・武蔵小杉ではコミュニティ委員会が住民に対して
支援物資の提供のお願いを呼びかけました。
■掲示板の告知
■回収箱
掲示板をみた住民の方々が次々と支援物資を持ち寄り、翌朝には
大量のダンボール箱いっぱいの物資が集まりました。
■集まった支援物資(1)
集まった支援物資は呼びかけを行ったメンバー宅へ運ばれ、さらに
地域住民や町内から集まった物資とともにまとめられました。中には
一輪車やスコップなどの工具類など大掛かりなものもありました。
■集まった支援物資(2)
ここでは地域のボランティアのママさん達の手作業により仕分が
行われていました。
■仕分作業(1)
防寒用に提供された衣類を濡れないようにビニール袋に詰めたり、
サイズ別に仕分したりしていきます。これだけでも大変な作業です。
■仕分作業(2)
仕分された支援物資には分類別に目的用途が分かるように次々に
貼紙が添付され積まれていきます。
■JCIへ持込み
こうして仕分された支援物資は再び車に積まれ、その後武蔵新城に
ある青年会議所(JCI)の中継所に持ち込まれました。
■JCI中継所 救援物資受付窓口
中継所ではさらに他の地域からも集められた物資が保管されて
いました。
■中継所の支援物資
伺った話では支援物資は今夜横浜方面の集積所に移動され積み
替えられた後、被災地に向けて発送されるそうです。
さて、このような被災地への支援活動を行う際に大きく2つの課題が
あります。
一つは、自分も物資提供の支援ができる/やりたいと思っていても
どのようにやったらいいのかわからない、という方が多いのでは
ないかという点です。
もう一つは現地で本当に必要としているものが何か分からないという
点です。
1番目の課題については、確かにネットで調べれば支援物資の窓口は
いくらでも見付かります。しかし自分でそこに持ち込んだり発送方法
を調べたりという活動までとなるとなかなか手が付けられるものでは
ありません。
しかし今回のように地域コミュニティを通じて呼びかけを行うと
あっという間に物資が集まるという状況があります。これは枠組み
さえあれば実は自分も協力したいと思っている大多数の人がおり、
このような場合においても地域コミュニティの担う役割が重要となる
ことを窺い知ることができます。
次に2番目の課題についてはメディアでも報じられているとおり
必要な物資が現地に届かないという状況があることです。
これはまだ交通網の復旧もままならない状況で、行政の活動にも
限界があることでしょうし、そもそも被災地の隅々まで支援物資を
届けるルートが確立できていないためだと思われます。
このような場合、今回活動を行っている青年会議所のような
ボランティア団体のネットワークを通じて、必要な物資を現地まで
届け、あとは受け入れ先で待機している現地を熟知したメンバで
活動を行うという方法は、有効な手段の一つだと思われます。
これは流通業界における集配システムとも似ている部分があります。
また今回呼びかけを行ったメンバーは、現地で被災地の各避難所を
回っているボランティアと直接連絡を取り合って、今なにが必要か
という情報を入手し、呼びかけを行いました。
今回は特に毛布は足りているが防寒着が不足しているという情報が
もたらされました。
このようなリアルタイムの情報が入手され支援物資提供を呼びかける
活動地域で展開されるということはとても重要なことだと思います。
ここでもやはり地域のコミュニティを通じての活動がとても重要な
意味を持っています。
今回支援物資の仕分作業を手伝った最中には、入手難とされている
乾電池やお米などもありました。
都会で買占め騒動などが起きるたびに複雑な気分になりますが、
その一方で身を切ってでも今回の活動にご協力いただいた方々が
いるようなことを思うと、とても感慨深い思いがしました。
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