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2018年
06月04日

川崎市で読書活動を推進、一般社団法人ビブリオポルトスの小松雄也さんがクラウドファンディングにより児童養護施設・新日本学園に110冊の選書を寄贈

【Reporter:はつしも】

川崎市内の児童養護施設やこども文化センターに「選書した本を寄贈する」クラウドファンディングについて、2018/3/21エントリでご紹介いたしました。
これは「ビブリオバトル」などの読書活動を推進する、一般社団法人ビブリオポルトス代表理事の小松雄也さんが実施していたもので、3月31日までの募集で17万7,000円が集まりました。

そして寄贈活動の第1弾として、児童養護施設の「新日本学園」に110冊の本を寄贈することとなり、6月2日(土)に式典が行われましたので、お伝えします。

■児童養護施設「新日本学園」
児童養護施設「新日本学園」

新日本学園は、1936年に少年保護を目的として東京市麻布区桜田町の創業者自宅にて発足しました。
その後社会福祉法人の認可を受け、児童福祉法による児童養護施設となって現在に至ります。

現在の園舎は2016年6月に全面改築されたもので、たいへん綺麗なものでした。

■一般社団法人ビブリオポルトス代表理事の小松雄也さんと「ビブニャン」
一般社団法人ビブリオポルトス代表理事の小松雄也さんと「ビブニャン」

今回のクラウドファンディングを実行された小松雄也さんは、明治大学在学時代から読書普及活動に取り組み、一般社団法人ビブリオポルトスを設立しました。
活動の中心は、お気に入りの本を持ち寄って「書評合戦」を行い、投票の結果一番人気を得た本が勝者となる「ビブリオバトル」であり、中原図書館での開催を本サイトでもご紹介してきたところです。

今回の寄贈式典には、小松さんと「ビブニャン」が登場しました。

■ビブリオポルトス公認キャラクター「ビブニャン」
ビブニャン

「ビブニャン」は、一般社団法人ビブリオポルトスの公認キャラクターです。
本を読むことができる猫で、大好きな本をいつも頭に載せています。またお腹にあるポケットには、たくさんの子供たちに読んでほしい本をいつも入れているのだそうです。

■寄贈された110冊の本
寄贈された110冊の本

今回は、新日本学園で暮らす3歳~18歳の子どもたちに、ひとり2冊ずつ、110冊の本が寄贈されました。

これらの本は、事前に子どもたちに書いてもらったアンケートをもとに、小松さんが全て最適と信じる本を選ぶ「選書」をしたものです。
この選書作業には、相当の時間を要したとのことでした。

■北野書店によるフィルムコーティング風景(参考写真)
北野書店によるフィルムコーティング風景

選書された本はさらに図書館の本と同じように、川崎市の「北野書店」がフィルムコーティングを行った上で新日本学園に搬入されました。
この加工を施すことにより、本の寿命が通常よりもずっと長くなります。

■小松さんによる本の寄贈
小松さんによる本の寄贈

小松さんによる本の寄贈

小松さんによる本の寄贈

今回の式典では、55名の子どもたちのうち、代表の6名が参加して本を受け取ってくれました。
皆さん「自分のための本」を受け取るのがうれしそうで、代表の子に話を伺うと、「今すぐに読みたい」という声も聞かれました。

■本を手にした子どもたち
本を手にした子どもたち

アンケートでは「ゲームが好き」という子が多かったようで、それに対して小松さんは横井軍平さん(※)の本など、親しみのあるゲームを通じて今後のものの考え方、生き方につながるような選書をされていました。

※元任天堂のゲームクリエイター。ゲーム&ウォッチ、ゲームボーイ、バーチャルボーイなどの開発に携わり、「枯れた技術の水平思考」という独自の哲学で優れた商品を多数生み出しました。

■「君たちはどう生きるか」
「君たちはどう生きるか」

こちらは吉野源三郎氏が1937年に書いた「君たちはどう生きるか」です。
「コペル君」がおじさんと一緒にあるべき生き方について悩む姿を描いた本で、80年が経過した現在も、漫画版がベストセラーになるなど読み継がれている名著ですね。

この本は、アンケートで「進路が決まっていない」と答えていた子のために選んだものでした。

本の寄贈というのは割合よく聞く話ですが、ひとりひとりにきちんと本を選んで寄贈するプロジェクトは、この規模ではあまりないように思います。
クラウドファンディングのページに、今回寄贈された110冊の本のリストが掲載されていますので、ご関心ある方は関連リンクからご参照ください。

■引き続き本の寄贈プロジェクトを進める小松雄也さん
小松雄也さん

クラウドファンディングで集まった17万7,000円のうち、今回の寄贈では約10万円ほどが使われました。
小松さんは今後、新日本学園に続いて川崎市の「こども文化センター」への寄贈を計画しています。

前述の通り、今回のプロジェクトで最も重労働だったのは「110冊の選書」ということでしたが、実際に新日本学園への寄贈に至り、小松さんも大きな喜びがあったように思われます。
また寄贈にあたっては北野書店の協力も取り付けるなど、単純にネットで資金を集めて本を買って送るだけのクラウドファンディングではなかったことは、あらためてお伝えしておきたいと思います。

本サイトでは、相当程度の信頼性が確認できる場合を除き、クラウドファンディングの紹介などは取り扱っておりません。
その中でもご紹介した案件については、結果についてお伝えすることが大切であると考えておりますので、本エントリでレポートさせていただきました。

■中村憲剛選手の本とサインボール
中村憲剛選手の本とサインボール

【関連リンク】
(一般社団法人ビブリオポルトス関連)
一般社団法人ビブリオポルトス ウェブサイト
Ready for 読書を通じて夢の実現!人生を切り拓く1冊をこども達のもとへ!(結果報告)
※110冊の本のリストが掲載されています。
北野書店 ウェブサイト
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(新日本学園関連)
川崎市 児童養護施設一覧 新日本学園
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