武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2018年
12月11日

府中街道の蕎麦店「満留賀」が道路拡幅のため2018年12月31日をもって閉店、48年の歴史に幕。来年2月4日に横浜市旭区に移転オープン

【Reporter:はつしも】

現在、武蔵小杉駅周辺では府中街道の拡幅が進められています。

一部が供用開始になった東横化学前~東急線高架下までの「市ノ坪工区」に続いて、現在は東急高架下~小杉御殿町交差点付近までの「小杉工区」の用地取得が進められてきています。
この「小杉工区」においても用地取得率が50%を超え、既存の建物が立ち退いたあとの遊休地がだいぶ増えてきました。

その中で営業を続けていた蕎麦店「満留賀」が、2018年12月31日をもって閉店することが決定しました。
同店は横浜市旭区鶴ヶ峰本町に移転し、「酒と蕎麦 まるか」として2019年2月4日より営業を再開します。

これにより同店は、武蔵小杉での48年にわたる歴史の幕を下ろすことになりました。

■府中街道沿いの「満留賀」
府中街道沿いの「満留賀」

■「満留賀」の店内
満留賀の店内

「満留賀」は、府中街道のうちサライ通り商店街の入り口近くにあります。
建物のすぐ裏手は「64Cafe+Ranai」と、「川崎信用金庫武蔵小杉支店」の仮店舗です。

店舗の周囲は川崎市による用地取得がだいぶ進みまして、「満留賀」だけが取り残されるような格好になっていました。

■「満留賀」の屋号
「満留賀」の屋号 

「満留賀」とは、たいへん広く暖簾分けされているそば屋の屋号です。
これは愛知県宝飯郡御津町(現豊川市)から上京してきた加藤豊造が、下谷区(現台東区)の「三河屋そば店」で修業をしたのちに1900年(明治33年)に独立したのがはじまりといわれています。

当初の屋号は加藤の「加」を丸で囲んた「(加)三河屋」(まるかみかわや)でしたが、その後近隣に「(三)三河屋」というそば屋ができ、混同を避けるため屋号を「まるか」にすべきかと真龍寺の僧・安藤正純に相談したところ、「満留加」の文字をいただいたという逸話が残されています。

現在暖簾分けで広がっているのは「満留『加』」よりも「満留『賀』」ですが、これは縁起が良いとされる吉祥名と考えられます。

■「満留賀」閉店および移転オープンのお知らせ
「満留賀」閉店および移転オープンのお知らせ

府中街道の「満留賀」の店頭には、現在の店舗閉店と、横浜市での移転オープンのお知らせが掲示されていました。
現在の店舗は1970年(昭和45年)から営まれているもので、冒頭にご紹介した通り、48年の歴史があります。

当時の武蔵小杉駅周辺や府中街道はまだまだ発展途上で、ビルも少なかったことと思います。

移転先の横浜市旭区鶴ヶ峰本町は、相鉄線の鶴ヶ峰駅が最寄り駅です。
武蔵小杉からは乗換え含めて40分前後というところで距離がありますから、何らかご縁のあった場所なのでしょう。

■「満留賀」の隣で営業をしていた「エル・アミーゴ」(右側が満留賀)
エル・アミーゴ

そういえば、「満留賀」の隣で営業をしていたのは、ステーキ店「エル・アミーゴ」でした。
同店は1965年(昭和40年)に開店し、ちょうど50年後の2015年に閉店しています。

1960~1970年代あたりに、府中街道沿いにお店が立ち並び始めたところが多かったのかもしれませんね。

■「満留賀」のそば
満留賀のそば

折角ですので、「満留賀」のそばを記念にいただいてみました。
「満留賀」のそばの特徴はつゆの味が濃いめなことで、武蔵小杉でも比較的その特徴は生きていたように思います。

もっとも、「満留賀」の暖簾分けは長い年月が経つうちに必ずしも直系店舗だけに収まらず、あやかって店名をつけたお店も少なくないようです。
そのあたりの明確な歴史を辿るのは、なかなかに難しいでしょう。

■出前もいたします
出前をいたします

出前も承ります

「満留賀」は、今年の大みそかまで営業をしています。
年越しそばが最後のかきいれ時ということになりそうですね。

まだ通常営業の時間も残されていますから、思い出のある方など、年内にご来店ください。

■拡幅のための用地取得が進んだ「満留賀」の周囲
拡幅の為の用地取得が進んだ「満留賀」の周囲

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