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2023年
04月24日

元住吉ブレーメン通り商店街「音楽隊像」「豚飼いの像」の歴史。プラウドシティ元住吉に隠れた豚1匹から辿るエピソード

元住吉のブレーメン通り商店街には、ブレーメン市にあるものと同じ「ブレーメンの音楽隊像」や「豚飼いの像」があります。

これらの像は過去にもご紹介してきましたが、井田三舞町のマンション「プラウドシティ元住吉」にも同じ「豚飼いの像」の豚が1匹隠れていますので、今回はこれに注目してみました。



■ブレーメン市庁舎前の本家「ブレーメンの音楽隊像」
ブレーメン市庁舎前のブレーメンの音楽隊像
※撮影:stella

■元住吉駅前の複製「ブレーメンの音楽隊像」
ブレーメンの音楽隊像

ブレーメンの音楽隊像

まずこちらは、元住吉駅前の「ブレーメンの音楽隊像」です。

音楽隊像の「オリジナル」は、1952年に彫刻家のゲルハルト・マルクスが製作し、ドイツ・ブレーメン市庁舎前に設置されたものです。

それが1989年に複製され、北海道のドイツ風テーマパーク「グリュック王国」に設置されていましたが、テーマパークはのちに閉鎖となりました。

閉鎖後もオーナー(閉鎖後に北海道でヨーロッパ風テーマパーク「フェーリエンドルフ」を経営)が所蔵していたものが、2012年にブレーメン通り商店街に寄贈されて現在に至ります。

■ゼーゲ通りの本家「豚飼いの像」
ゼーゲ通りの本家豚飼いの像
※撮影:YORICHIKA

■川崎信用金庫前の「豚飼いの像」
川崎信用金庫前の「豚飼いの像」

川崎信用金庫前の「豚飼いの像」

川崎信用金庫前の「豚飼いの像」

川崎信用金庫前の「豚飼いの像」

川崎信用金庫前の「豚飼いの像」

川崎信用金庫前の「豚飼いの像」も、ブレーメン市のゼーゲ通りに設置されていたものの複製です。
同様に「グリュック王国」のオーナーから寄贈され、音楽隊像設置の翌2013年にお披露目されました。

案内に記載の通り、ドイツでは豚は子孫繁栄でたいへん縁起が良い動物なのだそうです。
なお、ゼーゲ通りはブレーメン通り商店街と友好協定を締結しているロイドパサージュ商店街に面した通りです。


ただ、これらの像の寄贈・設置は、簡単に物事が進んだわけではありませんでした。

ブレーメン通り商店街が閉鎖された「グリュック王国」の像の存在を知り、是非商店街に設置したいと考えたものの、オーナーに直接コンタクトが取れない状況でした。

そこで地域のマンション開発で縁のあった野村不動産から、ブレーメン通り商店街に協力の申し出がありました。
野村不動産の仲介によりオーナーと連絡が取れ、オーナーが商店街を訪問するに至ります。

商店街の皆さんが一生懸命お願いしたところ熱意が伝わり、オーナーが「ブレーメン通り商店街なら像を大切にしてくれるだろう」ということで無償で譲渡してくれることになったのだそうです。

しかしながら北海道から運搬・設置するのは相応のコストがかかります。
これも野村不動産が協力し、テーマパークからの撤去・運搬・設置までの費用を負担しました。

さらに東急電鉄や川崎信用金庫が用地提供することで現在の音楽隊像、豚飼いの像が設置できたというわけです。

■野村不動産分譲「プラウドシティ元住吉」
プラウドシティ元住吉

プラウドシティ元住吉

■プラウドシティ元住吉の「豚飼いの像」の1匹
プラウドシティ元住吉の豚飼いの像の1匹

プラウドシティ元住吉の豚飼いの像の1匹

プラウドシティ元住吉の豚飼いの像の1匹

ブレーメン通り商店街からほど近い井田三舞町には、野村不動産2013年分譲のマンション「プラウドシティ元住吉」があります。

前述のように野村不動産が橋渡しから運搬・設置まで協力した経緯から、このマンションの歩道に面した一角には、恩返しとして「豚飼いの像」と同じ豚が1匹、隠れています。

なぜここに設置されているのか、説明などは現地に一切ありませんので、豚の像をふと見つけた方が不思議に思ったかもしれませんね。

数年前にブレーメン通り商店街のフリーペーパー「ブレス」では経緯が紹介されたことがあったのですが、ウェブで参照できる情報がないようですので、本記事で記録しておきたいと思います。

プラウドシティ元住吉の南西角地の植え込みにありますので、近くを通行された際にでも探してみてください。

■ブレーメン通り商店街・コミュニティセンターの音楽隊像
コミュニティセンターの音楽隊像

ブレーメン通り商店街コミュニティセンターの音楽隊像

さらにこちらは、ブレーメン通り商店街の中ほどにある「コミュニティセンター」の音楽隊像です。

この音楽隊像はドイツの芸術家、キルステン・ブルニエスの手によるもので、ブレーメン通り商店街10周年を記念してブレーメン市とロイドパサージュ商店街から1998年に寄贈されました。

この音楽隊は、元住吉駅前にあるリアル志向のものとはまた違ってデフォルメされたデザインです。

こちらもかわいらしく、地域で親しまれています。

【関連リンク】
モトスミ・ブレーメン通り商店街ウェブサイト
2011/12/4エントリ ブレーメン通り商店街のクリスマスと、シャッターの絵
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