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2015年
10月29日

丸子橋から見える「コウノトリ」、もとい「シュバシコウ」

【Reporter:はつしも】

出産をテーマにした漫画作品「コウノドリ」がドラマ化され、綾野剛氏主演により放映されています。

そんな中、丸子橋から「コウノトリ」のようなものが見えるのが以前から気になっておりましたので、この機会にレポートしてみたいと思います。

■丸子橋から見える「コウノトリ」のようなもの
 

ここは、綱島街道から丸子橋に入って、急勾配をのぼっていく途中です。
両側に防音壁がありますが、その向こうのマンション最上部に見えるのは…、

■マンション最上部の「コウノトリ」のようなロゴマーク
「コウノトリ」のロゴマーク 

マンション最上部の「コウノトリ」のロゴマーク

これは、どうやらコウノトリのように見えますね。

日本でも、「コウノトリがくちばしで赤ちゃんを運んでくる」という話が広まっていまして、このマンションのロゴマークもその姿を描いているように見えます。

実はこの言い伝えの発祥はヨーロッパで、元々はドイツの国鳥であり幸せを運ぶとされる「シュバシコウ」(コウノトリ科)のことを指していました。
ただ、「シュバシコウ」は日本の自然界にはいませんでしたので、日本に伝わる際に「コウノトリ」(同じくコウノトリ科)に置き換わったようです。

■「シュバシコウ」(white stork)
「シュバシコウ」

■「コウノトリ」(oriental strork)
「コウノトリ」


いずれもコウノトリ目コウノトリ科ではありますが、種としては別のものです。

英名でいうと、「シュバシコウ」は「white stork(ホワイトストーク)」、「コウノトリ」は「orienal strok(オリエンタルストーク)」です。
英語圏からすると、「東洋にいる近種」ということなのでしょう。

■マンション名「ストーク新丸子弐番館」
マンション名「ストーク新丸子弐番舘」 

そして、この「コウノトリ(シュバシコウ)」がいるマンション名は、「ストーク新丸子弐番館」でした。

ヨーロッパで「oriental」をつけずに単に「stork」というと「white stork」(シュバシコウ)のことを指します。

つまり「ストーク新丸子弐番館」は、「コウノトリが赤ちゃんを連れてくる」というヨーロッパの伝承の正しい姿をとらえていたということになるわけです。

■東急線沿いの「ストーク新丸子弐番館」
東急線沿いの「ストーク新丸子弐番館」 

「ストーク新丸子弐番館」は丸子橋からのほか、多摩川河川敷と東急線が交わる場所からも見えます。

多摩川は日本のコウノトリ(oriental stork)とは縁がありまして、東京都側の河川敷で約150万年前のものとされるコウノトリ科の鳥類の足跡化石が発見されたりもしています。

■「ストーク新丸子壱番館」
「ストーク新丸子壱番館」

なお、「弐番館」ということは「壱番館」もあるわけで、近隣で「ストーク新丸子壱番館」が見つかりました。
ただこちらは外見上は「シュバシコウ(コウノトリ)」の姿は見つかりませんでした。

「参番館」はないようで、「シュバシコウ(コウノトリ)」のロゴマークを高く掲げた「弐番館」が集大成のようです。

今度通りかかった際にでも、マンションの最上部に舞う「シュバシコウ(コウノトリ)」を見てみてください。

■「ストーク新丸子弐番館」のマップ
「ストーク新丸子弐番館」

【関連リンク】
とうきゅう環境財団 一般研究成果リスト 多摩川河床に見られる下部更新統上総層群の長鼻類・偶蹄類足跡化石群の分布調査―及び足跡化石群の露出から消滅までの経過と保存の検討―(PDFファイル)
※156-171pあたりにコウノトリ科の足跡化石の記述があり。PDFファイルで40MB以上ありますので、ご注意ください。
2009/5/30エントリ 丸子橋公園の「初代丸子橋親柱」
2009/7/2エントリ 丸子橋で、都県境に立つ
2009/9/23エントリ 川崎歴史ガイド・中原街道ルート(1):「丸子の渡し」
2011/1/25エントリ 丸子橋から見えるもの

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