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2016年
06月01日

国土交通省が多摩川・鶴見川・相模川水系の洪水氾濫シミュレーションを公開、武蔵小杉等任意地点への洪水到達時間と最大浸水深が検索可能に

【Reporter:はつしも】

国土交通省関東地方整備局京浜河川事務所が、多摩川水系、鶴見川水系及び相模川水系に係る想定最大規模降雨における洪水氾濫シミュレーションを公開しました。
 
■京浜河川事務所 洪水氾濫シミュレーション
http://www.ktr.mlit.go.jp/keihin/keihin00642.html

京浜河川事務所は、多摩川・鶴見川・相模川の3河川および沖ノ鳥島を管理する国土交通所の組織です。
各地の出張所により、河川改修事業、維持修繕事業、環境整備事業およびそれらに関する諸調査等を実施しています。

今回公開されたシミュレーションは、当該河川の流域住民に情報を提供することで、洪水時の避難に役立てることを目的としたものです。

■公開された洪水氾濫シミュレーション
公開された洪水氾濫シミュレーション

本シミュレーションでは、多摩川水系・鶴見川水系・相模川水系の洪水氾濫シミュレーションが公開されていますが、本サイトではもちろん多摩川水系の情報にクローズアップしてみたいと思います。

公開されたシステムでは、任意地点からの浸水状況を知ることができます。今回は「想定しうる最大規模の降雨による氾濫時」における「武蔵小杉駅」を選択してみましょう。
そうすると、多摩川沿いに武蔵小杉駅を浸水させる決壊地点が丸印で表示されます。

これらの決壊地点のうち、色が違う丸印が2つあることにご注目ください。

等々力緑地付近の朱色は、浸水深が最も深くなる決壊地点です。
決壊時点から1時間で武蔵小杉駅に到達し、最大浸水深が0.5m~3mに達します。

もうひとつ、高津区下野毛付近のオレンジ色は、決壊してから最も早く到達する地点です。
決壊時点から30分で武蔵小杉駅に到達し、最大浸水深が0~0.5mに達します。

ここで意外なのは、等々力緑地付近よりも遠い高津区下野毛で決壊した方が、武蔵小杉には早く洪水が到達するということです。

本シミュレーションでは時間帯別の推移も見ることができますので、確認していきましょう。

■等々力緑地付近での決壊による到達時間
等々力緑地付近での決壊による到達時間

等々力緑地付近で決壊した場合は、決壊後30分は洪水は等々力緑地内にとどまり、1時間で武蔵小杉駅周辺に到達することがわかります。
到達すると前述の通り最大3mと大変水位が高くなります。

■高津区下野毛付近での決壊による到達時間
高津区下野毛付近での決壊による到達時間

一方こちらが高津区下野毛付近で決壊した場合です。

堤防の決壊前から、多摩川沿いの小杉陣屋町、新丸子駅周辺から武蔵小杉駅北口までが一気に浸水する予測になっています。
30分経過すると武蔵小杉駅周辺までが水に覆われ、最大浸水深は0.5mとされています。

このように、決壊するポイントによって、各地点への洪水の到達時間や、最大浸水深はかなり異なるわけです。

高津区下野毛での決壊は浸水深が大きくないとはいえ、水の力で足元をすくわれては抗うすべがありません。
距離が離れていることで甘く見ていると、あっという間に水が到達する可能性があるということですね。

ひとつひとつの地点ごとの情報を記憶しておくのは現実的ではありませんが、とりあえず「自分が想像するよりも危険な場合がある」と考えておくべきかと思いました。

■洪水シミュレーションの広域マップ
洪水シミュレーションの広域マップ

■中原区で洪水を免れる井田山
中原区で洪水を免れる井田山

平坦な中原区はほぼ全域が洪水の被害を受けることが想定されていますが、その中でも例外なのが井田山です。
ここは中原区では唯一の高台で、日吉側の台地に連なっています。


なお、本シミュレーションはあくまでも多摩川など対象となる水系の氾濫を予測したものであり、周辺の河川等は含まれておりません。
仮に多摩川が氾濫に至る場合、首都圏の多摩川以外の河川も氾濫している可能性が十分にありますので、その点を留意しておく必要があるでしょう。

近年は治水の発達により、昔のような度重なる多摩川の氾濫はなくなりましたが、自然を完全にコントロールすることはできないというのが現実です。
いざという時のために、お住まいの場所についての情報を一度確認しておくと良いと思います。

■多摩川と武蔵小杉
多摩川橋梁と武蔵小杉の鏡面世界 

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