武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

川崎市中原区の再開発で変貌する街・武蔵小杉のタウン情報サイト『武蔵小杉ライフ』の公式ブログ。街の最新情報やさまざまな話題をご紹介します。

2010年
10月03日

武蔵小杉の「ひと」(3):NPO法人防犯ネットワーク(前編)

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武蔵小杉ライフが地域活動に関わり合いのある方々へお話を伺う
インタビューシリーズ、第3回目は2009年9月18日のエントリ
犯罪のない街づくり
 でもとりあげた、NPO法人防犯ネットワーク
を訪ねました。
防犯ネットワークは高津区を拠点とし「子ども、女性、お年寄り、
誰もが安心して生き生きと暮らせる町の実現」
を理念として
活動しているNPO法人です。

■NPO法人防犯ネットワーク 公式サイト
http://www.bouhan-network.com/

今回は代表の田中理事長と昨年新しく設立された中原支部の
松川支部長
にお話を伺いました。
(以下敬称略)

■田中伸一理事長(右)と松川正二郎支部長(左)
田中伸一理事長(右)と松川正二郎支部長(左)

--まず設立の経緯からお伺いしたいのですが

(田中)
防犯ネットワークのスタートは地域教育会議という川崎市全体の
生涯学習課の機関でPTA会長や学校長あるいは民生委員さんや
青少年指導員さんなどの人たちで組織されている、地域全体で
子供達を育てようという、そういう組織がありまして、私がPTA会長を
していてそこのメンバーだった事もあり、その地域教育会議とPTAと
共催で防犯フォーラムを行ったのですね。

当時あまりにも子供達を狙う事件が多く発生していて、大阪池田小の
事件であるとか、長崎の少年殺害事件、赤坂で小学生女子児童が
監禁されていた事件もありました。そういう事件がたくさん起きて
いまして、では地元ではどういう事件が実際におきているのだろうか?
と思ったんです。それで警察に情報を聞きに行ってみると
「声がけ事案」や実際に子どもが連れ去られそうになった事件
起きていたんですね。でも、そういう情報を僕らは全く知らなかった。
情報を知って初めて人は注意しようと思うんですね。

それで情報の共有をしようじゃないかということで警察の代表者と、
それからPTA、地域住民の人、そして子供達とで防犯フォーラム
行ないました。そうすると子供達からは「実は友達がオートバイに
乗った男の人に追いかけられたんだ」
という話がでたり、警察のほう
からも「実は声がけ事案が結構起きているんです」という話が
あったり、身近なところでそういう事件が実際に起きていることが
分かったのですね。

そのときにガーディアンエンジェルスってご存知ですか、赤い
ベレー帽かぶった自警団のような団体です。そこの理事長と知り合い
だったので講師に来て頂いたんですね。それで、「何をしたらいい
のか?」ということをお聞きしたら「まず情報を共有してください」
ということを言われました。それから、情報を共有したら自分に
できること、何かアクションを起こすこと
、これが地域を守るために
大切なのだよ、ということをおっしゃられました。

講演の内容がよかったこともあるのでしょうけど、参加者277名
子供達・地域の大人達に対して取ったアンケートで「地域のために
何かできることがあったら協力する」と回答してくれた方が95%

いたんですね。たぶん50%ぐらいの方が協力すると答えてくれるの
ではないかと思っていたのですが、実に95%の人が地域のために
自分達に出来ることがあったら協力したいんだという答えを出して
いただきました。

これだけ善意をもっていらっしゃる方がいるのだったら、その受け皿
を僕らが何とか作れないかな?
ということで防犯ネットワークという
団体を設立するに至ったのです。

田中伸一理事長

防犯ネットワークは、その活動で何をやるかというと、
防犯パトロールの日にちを決めて巡回パトロールをするとかそういう
ことではなくて、地域に住んでいる一般の人たちが、新聞に載らない
小さな事件などの情報を知ることで普段から防犯の意識を持って
自分に出来る行動を起こす
ということなんです。

例えば溝の口・高津区あたりでは自転車の盗難が非常に多い。
だから自分が自転車を止めるときにはダブルロックを必ずかけるとか、
ひったくり犯罪もすごく多くて、ひったくりにあわないためには、
車道側にバッグを持たないで、必ず歩道側に持つようにするとか、
自転車の前カゴに荷物を乗せる時には、ネットやあるいは週刊誌や
新聞紙を荷物の上に置くとか、普段の生活の中で自分にできる行動を
起こす事
を目的に設立を致しました。

--今現在の主な活動内容を教えて下さい。

(田中)
情報を共有する為に、新聞に載らない小さな事件が身近なところで
たくさん起きていて、その事件があるということを知って始めて
自分が注意することができるので、身近で起きている事件の情報
配信
をしています。この中には警察発表のものもありますし、
「自分の子供がいまxxxの公園で変な人に声をかけられたので
皆さん注意してください」というような会員さんからの情報
もあります。
そのような会員さんからの情報が入ると、「自分は近所に住んで
いるのでちょっとその辺りをパトロールします」というような、
善意のメールが入ってきたりします。

■身近で起きている事件の情報配信(防犯メールマガジン)
身近で起きている事件の情報配信(防犯メールマガジン)

女子児童を狙った犯罪

それから、防犯ネットワークの本来の趣旨である日常の中で自分が
できる防犯活動をしようということでは、ワンワンパトロール
いって、毎日犬の散歩をする時にマークをつけて防犯の視点を持って
犬の散歩をしていただく
。そして犯罪を見かけた時には、
見てみぬ振りをしないで、その場でなくても構わないので裏に回って
110番する。または夜遅くまで外で遊んでいる子供がいたら、
そろそろ帰りなさいという声をかけて頂く。そんな普段の日常生活の
中で行っていることでできる防犯活動を多くの地域住民でする

ということをやっています。

あとは、犯罪社会学で有名な小宮信夫教授が犯罪機会論をもとに
開発をした地域安全マップというプログラムがありますが、その
プログラムを子供達に受けさせるためのインストラクター養成講座
などを行っております。この地域安全マップ作りは子供の安全の
切り札だと言われています。

最近では、地域包括支援センターという川崎市の公的な相談窓口が
あり、地域でくらす高齢者の方たちを様々な面から総合的に支える
ために作られた機関なのですが、よく痴呆性の徘徊老人の方が
いらっしゃり、徘徊して行方不明になってしまった時にご家族から
希望があった場合、「こんな方がこの辺りで行方不明になってしまい
ました。心当たりがある方は情報をください」という内容のメール配信
をしています。

田中伸一理事長

--今現在の団体のメンバーはどのぐらいでしょうか?

(田中)
正会員といいまして、これは年会費を払っていただいている方が
約50名。あとはメール情報を受取ってボランティアとして自分の
できることのアクションをしますよ、という登録をしていただいて
いる方が、現在7893名
いらっしゃいます。
(2010年9月18日時点)

--メールの登録件数が約8000近くですが、この数字については
どのように思われますか?


(田中)
まだまだ少ないと思っています。

やはり警察や行政からのメールって味気ないですよね。例えば
会員さんからの情報で、「最近家に帰る途中に変な人に付けられて
怖かった。私はコンビニに入って110番をして事なきを得ました」
などという情報を知ると、もし不審者につけられたらコンビニに
逃げ込んで110番通報をすれば良いのだ
、という対処方法が
わかります。

あるいは、さっき言ったように「xxxの公園で変な人に声をかけられ
ました」という情報に対して、これだけ多くの登録していただいている
方がいるので、近所にいる方が「自分は近くに住んでいるのでちょっと
気をつけるようにします」
とか、「いまからその辺りをパトロールします」
とか、そういう方もいらっしゃいます。
そういう善意の地域の方に対して、アクションを起こして頂けるもの
を集めるためには、もっともっと輪が広がったほうがいいと考えて
いますし、そういう意味ではまだまだ人数が少ないと感じています。

--先ほどからお話のでているメールマガジンについて教えてください。

(田中)
メールマガジンは最初は無料で配信できるメール配信ソフトを使って
いたんです。ところが、2000名近くになったところでサーバから
シャットアウトされてしまい配信することができなくなってしまいました。
今は官公庁等で使われている有料配信システムを利用しています。

--情報のソースは警察から入手されているのですか?

(田中)
そうです。ほとんど警察からの情報です。あるいは区役所からの
情報
です。あとは会員さんからの情報を配信させていただきますが、
その場合、いちおうご本人と連絡を取って、その経緯等を確認した
上で、プライバシーの問題に触れないことを十分に注意しながら
配信をしています。

--中原の場合ですと、中原警察署からですか?

(松川)
そうですね、ちょうど2009年7月に中原区の支部を設立してメールの
配信を始めたのですけれども、情報ソースとしては中原警察署の
生活安全課
から情報をもらっています。毎週月水金と情報をもらって
いまして、その情報をFaxでもらってそれをデータにして配信すると。

松川正二郎支部長

--Faxなのですか?

(松川)
なかなか警察もデータでくれないんですね。
(田中)
警察はメールでデータを出さないんですよ。(苦笑)

(松川)
それでそのFaxをもらった時に例えば最近自転車の盗難が増えている
だとか、またひったくりも最近増え始めているものですから、それに
注意をしてくださいね、というメッセージが入っていまして、
-いまは毎回自転車の盗難のメッセージが多いですけれども-
そういうような情報をもらってそれを配信しています。

--先ほど伺った話で会員からの情報も配信することがあるとのこと
でしたが、中原版ではまだそういったケースを見たことがないように
思いますが?


(松川)
そうですね、一回だけあったんですけれども、正直にお話しますと
今は実質的に配信しているのは僕一人だけですし、手伝ってくれる
方も1~2名いるぐらいです。なので、なかなかその会員間の
いうなればオフ会じゃないですけどそういうこともまだ開催できて
いないものですから、会員同士のコミュニケーションがとれていない
というのがまず一つあると思うんですよね。だから1年間も配信を
続けてきたので、そろそろ中原区の会員のみなさんが一度集まれる
ような会
を催すなり、もしくはそういう話をすることによって、
また会員の方から情報を頂いたりとかそういう環境作りをしたい
と思います。

--先行して登録人数の多い高津区では会員から情報も結構くるの
ですか?

(田中)
そうですね。意味の分からないメールも来たりしますけどね(笑)
一応連絡をとって確認の取れたものについては配信するようにして
います。

田中伸一理事長

--メールマガジンの内容について伺いたいのですが、
初めて見た時には身近な地名で毎日のように何か犯罪が起きている
ということに驚きました。これは事実なのでしょうか?

(田中)
はい。警察が発表しているデータをもとに配信しています。
高津区では、最近少なくなりましたが、前は中原区同様に多く犯罪が
発生していました。私はマンション管理関連の仕事をしているの
ですが、設立当時は、住民の方がしょっちゅう空き巣に入られたと
保険の申請にこられていました。
それが余りにも件数が多く、しかも
お金で買えないようなものを盗まれてとてもがっかりしてこられるの
です。空き巣って自分のお隣さんや向こう三軒ぐらいがやられないと
わからない
わけですよね。マンションではあまり入居者も気づいて
いないのです。同じマンションで同じ日に何件も発生したり、
ひどかったんです。防犯ネットワークを設立しようと思った背景には
こんな体験もあります。

新聞には載らない事件がこんなにおきているんだと。そして、
xx町x丁目で何時ごろにこんな事件があったと知れば
うちの町内会じゃないか!と気をつける
ようになりますよね。
多くの人に気をつけるようになってもらう事が第一目的です。

--確かに身近な地名が出てくると注目するのですが、逆にいままで
それだけ身近な地名でなにか犯罪が起きているということをまったく
知らなかったという事実に最初は驚きました。

(松川)
確かに警察も行政も例えば町会長さんに今月は何件ひったくりが
あったり空き巣があったりという情報提供はしているのですけれど
その情報というのも一ヶ月分まとめて翌月だとかとかタイムリーな
情報ではないんですね。

自分の町内であったり自分の地名というんですかね、いうなれば
隣で事件が起こっているんだというのはぜひともみんなに知って
いただきたい
と思います。

松川正二郎支部長

--確かに町内回覧で情報を回すのにも限界があると思います。
 その意味ではメールでの配信は有効ですね。


(松川)
あとは世代というものも考えていまして、メールを受信されるかたと
いうのはどちらかというと若い世代が多い
、というところもありまして
そういう方にも積極的にも防犯の意識を高めていただきたいですし
できれば自分の出来ることをしていただきたいとは思います。書面の
場合というのはどちらかというと高齢の方々の情報ツールになります
けれども、メールというのはある程度若くなるので、子ども達を支えて
いる世代にも有効
かなと思います。

(田中)
先般高津区民祭に防犯ネットワークでブースを出店した際に、
会員の方に是非来てくださいとメールで案内をしたら小学生が
携帯を持って尋ねてきて
びっくりしました(笑)
ママに登録しなさいと言われたそうです。

後編に続く)

【防犯ネットワーク中原支部 防犯メールマガジン登録】
http://www.bouhan-network.com/nakahara/nakahara
_toroku.htm


【関連リンク】
NPO法人防犯ネットワーク 公式サイト
2007/10/5エントリ 小杉町2丁目の青色防犯灯
2007/10/12エントリ 小杉町2丁目の青色防犯灯(2)
2008/2/23エントリ 小杉町2丁目の青色防犯灯アンケート結果
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ワーク(後編)

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