武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

川崎市中原区の再開発で変貌する街・武蔵小杉のタウン情報サイト『武蔵小杉ライフ』の公式ニュースブログ。街の最新情報やさまざまな話題をご紹介します。

2010年
12月05日

武蔵小杉の「ひと」(5):川崎市まちづくり局(前編)

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武蔵小杉ライフが地域活動に関わり合いのある方々へお話を伺う
インタビューシリーズ。第5回目は武蔵小杉地区の再開発に深く
関わりをもつ川崎市まちづくり局の植木課長補佐ならびに下田氏に
お話を伺いました。

行政の立場としてこの武蔵小杉をどう捉えているのか?このまちは
今後どうなっていくのか?
などなどを、お二人の日ごろの活動を
交えながら聞いてみました。

■川崎市まちづくり局・植木課長補佐(左)と下田さん(右)
川崎市まちづくり局・植木課長補佐(左)と下田さん(右)

--武蔵小杉周辺で活動しているところをよくみかけますが、
どんなことをやっておられるのですか?


(下田)
我々は小杉駅周辺総合整備推進室というこの地域の再開発全般
等を担当している部署
です。我々がここで活動している経緯ですが、
これだけの大規模な再開発というのがこの短期間に行われている
中で、もともと既成市街地ではなくて企業のグラウンド跡地だったり
とか大規模な工場の跡地というところで再開発事業が行われている
というところで、我々としましては、かなり早い段階からハード整備
だけではなくて将来的な街のあり方を見据えて、ソフトな街づくりの
あり方も検討して行こう
ということでまち局(※まちづくり局。以下同じ)
が中心となって、小杉駅周辺戦略会議というものを立ち上げました。

この中で学識経験者だったりとか、企業の方とかあるいは市民の方々
と一緒に小杉の将来像というのを検討してきました。
結果としてその中で、地域住民が主体となったなんらかのコミュニ
ティ活動、もしくは街の維持管理活動をやっていくことが必要
だろうと
なりまして、NPO法人という形でこのエリアマネジメントを立ち上げる
ことになってきました。

NPO法人自体は当然地域の住民の方々が主体となっているもの
ですし、独立した法人ということもありますが、我々としましても
この地域のエリアマネジメントの推進ということは非常に重要だと
認識していますし、この地域の将来像を明らかにした小杉駅周辺
将来構想
というものにエリアマネジメントの推進の必要性というもの
は明記しております。

(参考記事)
■川崎市まちづくり局 小杉駅周辺まちづくり推進地域構想
http://www.city.kawasaki.jp/50/50tosike/home/tosimasu/
kosugi/kosugi.htm

■2008/4/18エントリ 小杉駅周辺地区将来構想パブリックコメント結果
http://musashikosugi.blog.shinobi.jp/Entry/361/

行政と住民との協働により、両者ともに歩む中で小杉駅周辺での
エリアマネジメントをやっていくことが必要だということで、我々は
NPOの支援という形で、小杉で活動させていただいています。

--まちづくり局の活動の中で、武蔵小杉はどのような位置付けに
あるのでしょうか?


(下田)
川崎市からみて、ということでいうと総合計画等に「広域拠点」という
形で明確に位置づけられているんですよ。広域拠点は川崎と武蔵
小杉とあと新百合ヶ丘しかない
んです。だから市の中での位置づけと
いうのは非常に高い
と思います。そこでこういった再開発があるという
ことなので、市としての力の入れ方というのもかなり大きいことである
のは間違いないですね。

(植木)
もちろん小杉だけに川崎市が力を投入するわけにはいかないので、
そこは他の地域と公平ではあるのですが、小杉の場合は秘めている
ポテンシャルは非常に大きいと思います。

つまり、まだ駅前のこれだけ便利なところに工場が残っていたり、
交通の利便性が非常に高かったり、まして今回の新駅の開業によって
一層利便性が高くなったと。

そういう意味では非常にポテンシャルが高いと我々は思っていて、
そのまちをほっておくとそれこそ企業が勝手な開発をしてしまう

ということがあるので、そういうことが無いないようにこの街を、
みんなの宝物ですからね、その辺をうまく市としても調整していこう
ということでそういう意味で非常に高い位置づけ
になっています。

--広域拠点についてもう少し詳しく教えてください

(下田)
総合計画上では、市の拠点を広域拠点、地域生活拠点、臨海都市
拠点とそれぞれ位置付けをしていて「市外の隣接都市拠点との調和
のもとに適切な機能分担を行い、地理的条件や交通機能などを踏まえ、
民間活力を活かした個性と魅力に溢れた拠点形成を目指す地区」を
広域拠点
としています。

それは単純に内部の話だけじゃなくて外部とのネットワークとか
そういった意味も含めて市の核となる場所をそういう意味で指します。

■広域拠点としての武蔵小杉
広域拠点としての武蔵小杉

--まちづくり局は川崎市全体をみる組織だと思いますがその中で
武蔵小杉を専門で担当されているのですか?


(植木)
拠点ごとに開発の担当を設けてやっているところと再開発全般を
やっている部署と両方あるのです。小杉は特に大規模な再開発が
あるので、特別にそういう組織を作ってハード面をいままでやって
きた
のですけど、先ほど話があったようにハード面だけでなく
ソフト面もやっていかないといけないということになりました。

特にまちづくり局としては、今まではあまりそういったソフト面の
ことを行政としてやってこなかった部分があったので、これは初めて
のケースだと思うのですがこういう形でソフト面をまちづくり局が
主体的に担っていこう
ということで取り組んでいます。

--ハード面とソフト面についてもう少し詳しく教えてください。

(下田)
ハードというのは建物や基盤整備、新駅もそうですね。基盤を整備
すればかたちはすごくきれいな街になりますし、道路も広くなって
便利になります。ただハードが整ったまち=住みやすいまちか、
というとそうではないと。そこで必要になるのがソフトの部分で、
簡単なところからいくとお隣さんとのご近所づきあいだとか、
あるいは清掃してきれいにしたって何もしなければあっという間に
汚れっていっちゃう
わけですよね。

そういう地道な清掃活動によってまちの維持管理みたいなものを
続けていったりとか、あるいは楽しい、にぎやかなイベントなんかを
やって地域全体のまちおこし的な活動していったり、住民同士の
つながりでやるような小さなまちづくり活動
をやっていくことに
よって、ほんとにそこに住んでいる人たちの住みやすさというのは
変わっていくのじゃないかなというようなところですよね。

エリアマネジメントというと結構大きな話のように見えるかも
しれないですけど割と小さな話なんかも含めてそこの住民が主体に
動くようなまちづくりをうまく展開
していければいいかなと思って
います。

--ソフト面での活動に関して、再開発地区に新規居住者が入居して
きてから約3年が経ちました。
これまでを振り返ってみていかがでしょうか?


(植木)
いちばん最初このNPOができた当初はまだ住民の方もいらっしゃら
なくて、全くなにも出来ない状態がありました。それが徐々にあの
マンションが入居したよ、このマンションが入居したよということで
入居されるたびにそこのマンションの理事会にお伺いしてNPOの
説明をして、NPOの活動にご協力いただくようにお話をして
という
ことを個別のマンションごとに繰り返してやって来ました。

ようやく各マンションの理事さんたちと顔がつながってきて、今度は
そこを越えて各マンション、このエリア全体のマンションの方々を
NPOが中心になって繋いで、このまちづくりを住民のみなさんが
主体となって考えていこう、ということがやっとできるようになって
きたと。
この3年半でやっとそういうNPOが目指したところに、
まあスタートラインにたったのかなという感じですよね。

これから本当にそういう方々との街づくりを進めていく中で、
みなさんが抱えている課題だとか、みなさんが認識している
こうあった方がいいんじゃないかというようなところを実現して
いけるかどうか、それがNPOの存在価値になっていくのだろうなと
思います。これがうまくいかないと逆にNPOは存在価値がない
というような評価をされるじゃないかと思っています。

--これまで活動してこられた中で困難だったことはありましたか?

(植木)
NPOの活動の趣旨に賛同していただいて、会員になっていただく
ということを我々はNPOと一緒にやって来ているのですけど、
趣旨には理解を示していただいても、じゃあマンション全体で全世帯
あげてNPO活動に協力しましょう、NPOに加入しましょうという
ところまで話が進んでいくのにだいぶ時間がかかる
ということが
ありました。

それはマンション内部の調整もそうでしょうし、我々が理事さんに
NPOのあり方等についてきちんと理解していただけるようにする
努力が足りなかった部分があるのでしょうし、そこが一番難しい
ですよね。

--武蔵小杉駅周辺では一段落していた開発が再度始まりました。
 今後のまちづくり局の活動にはどのように影響しそうでしょうか?


(植木)
もともとNPOの定款上も小杉駅周辺の住民を対象にという文言が
あって、対象としているのはあくまで小杉駅周辺という漠然とした
範囲
なのですね。だから今度の駅前の再開発地域については十分
その対象になる
と考えています。

もちろん東横線の東西地域についても、もともと町内会とか
コミュニティとかいったものが存在していない場所ですから、
西街区にしても東街区にしてもその辺に新しいマンションが出来て
きた場合にはやっぱりNPOとしても関わっていく必要がありますし、
またまちづくり局としてもあそこの地域においても
エリアマネジメント活動を推進していく必要性がある
と認識して
います。

(下田)
西街区、東街区もそうですし、東京機械の跡地もそうなので
エリアマネジメントの展開をまたもう一段階発展させていかないと
いけないと思います。でも北側という話になるとそこは少し今の
枠組みとはまた別のところで整理
していかなきゃいけないのかな
というところはあります。

■東京機械製作所と東急武蔵小杉駅の西街区・東街区方面
東京機械製作所と東急武蔵小杉駅の西街区・東街区方面

--前回エリマネで話を伺ったときに商業的な観点の話もいろいろ
でましたがお二人の活動にはそういった範囲も含まれるのでしょうか?


(下田)
小杉駅周辺全体を考えていくのであれば、既成市街地にはこれだけの
商店街がありますので、商店街との連携というのも長期的なスパン
では出てくる
と思うんですよ。そことの関わり方というのは、例えば
いままでの実績でいうとモールマップみたいなのを作って情報発信
みたいなものはさせていただきました。

今後そういったところでどのような関わりをしていくのかは、
みなさんで検討していかないと見えないところではあるんですよね。
位置づけとしては商業活性化もNPOの目的となっているのは
間違いないので。

(植木)
そのような目的で活動をする際にはそれが果たして住民の方にとって
プラスなのかどうか、いまの住民のみなさんが求めているのは
そういうことなのかという視点でみる必要があると思います。

いま住民の方が求めているのはやっぱり自分達が暮らしやすいまちを
作っていこう
ということなので、具体的にいうともっと地道なことというの
かな、自分達の生活に根ざしたことなのですけど、その辺と商店街との
コラボだとかいうのはちょっと異なる部分があるのかなと思います。

--先日インタビューではコスギタワーでの祭りの話を伺いました。
あれは一種の商業とのコラボではあると思いますが、住民のため
地域のコミュニティのためにも価値はあると思いますが。


(植木)
たぶんみなさん考えているのはこの地域で例えば夏祭りとか秋祭り
とか、そういうお祭りを開きたいなというのがあって、ただいろんな
意味で制約がある
のですよね。

まず場所、それをやるための人手や予算などいろんな問題があると
思うのですけど、特に場所が難しいんですよね。そういう中で実際
自分達のやれる範囲でやろうと思うとああいう形でそのマンションの
中を使ってやるとかマンション周辺の公開空地を使ってやるという
ことになってきて、たぶんああいう形になるのかなと思います。

ただ、あれはマンションのイベントなので招待されていない他の
マンションの方は基本的に入れない
じゃないですか。その辺が
ちょっと限界というかですね、だからほんとに目指しているところは
そういうお祭り的なところでもっと住民が交流できて楽しく遊べる
ようなもの
だと思うのですけどそれがあのまま発展していくのか
というとちょっと違うのかなという気はしますね。

■「コスタまつり2010秋」の案内
「コスタまつり2010秋」の案内

--ちょうどいま関わり方というお話がでましたが、お二人はどの
くらいまで関わるのですか?まちづくりが終わるまで?
ずっとでしょうか?(笑)

(植木)
まちづくり局と中原区役所との役割分担もあるんですね。
まちづくり局としては先ほど小杉地区のこういうソフト面のことを
やるのが初めてのケースだという話をしましたけれど、それは多分
区役所にとってももちろん初めてのケースなわけですよ。

今まではまち局はハード面のことをやって、ソフト面は区役所で
という話だったと思うのですけど、これだけの大規模な集合住宅に
おいて、それこそ町内会とか自治会がないわけなので、区役所
としてもどうやって関わっていこうか
とそういう思いが一つある。

それで、まち局は先ほどいったようにエリアマネジメントの推進
ということでこの地域のまちづくり、資産価値の向上ということを
目指していろんなことをやっているのですけど、それとの関わり方、
我々としては当初こういうNPOを作ってこれを通じて
エリアマネジメント活動を推進していくという中でそういう
自治会的な組織作りまでいくことができればいいなという形で
やってきたのですけど、実際こうやっていく中で、住民の方の中
から自治会組織の必要性だとかそういうご意見が非常に強く
出てくるようになってきた
んですね。

そういった自治会とか町内会の話になってきますと、今度はまさしく
中原区役所の地域振興課の仕事なんですよ。その辺になってくると
中原区役所とも共同で一緒に住民の方々を交えて、この地区の
そういう自治会のあり方等を一緒に考えていかないといけない、
最終的には彼らが主体となって今後地域の住民の方と一緒に
まちづくりをしていくという形
になってくると思うんですね。

いまのところは我々がこの地域に直接入り込んで地道な活動をして
いますけど、ゆくゆくは区役所も一緒に手を取り合ってやっていこう
ということで多分今年の後半から来年にかけてもっと積極的に区役所
とも共同でいろんなことを仕掛けて行きたい、と思っています。

--少し話は変わりますが、お二人は行政の担当者としてこの
武蔵小杉を担当されているのだと思いますが、お二人から見て
この街についてどう思われますか?


(植木)
私はもともと元住吉の出身なんですよ。小杉駅の変わりようも
ずっとみてきているので一言でいうとほんとに変わったなっていう
思いが強い
ですよね。

昔は東横線と当時の国鉄南武線の間が連絡通路もなくて直結だったん
ですよ。改札に人もいなかったのですけど、非常にのどかな街で昔の
工業都市の駅があったころのイメージがまだあったんですけどその後
ですよね、東横線の駅が変わって周辺にマンションがたってきて。
ほんとに昔しか知らない人がいきなり何年かぶりに小杉にくると
びっくりすると思いますよね。

それはどういう風にびっくりするかっていうと多分マンションばっかり
出来て人は増えているんだけどなんかあんまりそういう商業施設や
映画館もそうでしょうしそういったものがなくて
、ただなんか
マンションだけの街になっちゃった、そういう感じがたぶん強いと
思いますね。

個人的にもこれからはもっともっと小杉にそういう人々がほんとに楽しく
暮らせるような賑わいのある街にできるような施設にぜひいろいろと
出てきてもらって変えていきたいな
、と思いますよね。

(下田)
僕は川崎出身ではないんですよ。初めて来たのが入社試験の時で、
役所の一次試験が川崎で二次試験の面接会場が中原区役所だったの
です。その時初めて小杉にきてあの距離を迷ったんですね。区役所に
いく細い道の。そんな印象があって、駅前のビルも雑多な感じが
していて。

■下田さん
下田さん

それから配属されてしばらく都市計画に携わっていてちょうど
NECのビルが建った頃ですね。その後しばらく離れて別の部署に
いる間に小杉整備室という組織ができたのですが、いなくなった
数年間の間にどんどん事業計画が進んでいて、私が今の部署に来た
時には、わずかこの数年でこんなに変わるのかと思いましたね。

特にこの中丸子なのですけど、私はこの雰囲気が好きなんですよね。
ここの空地率(真上から見た時の)が80%とかそのぐらいあるん
ですよね、たしか。とても工場跡地だったとは思えない形でこれだけ
劇的に変わって、そこにもう人が住み始めてきている。わずか数年で
風景がこんなに変わっちゃうのかなというところは思いますよね。

■中丸子地区の公開空地
中丸子地区の公開空地

--現在のまちづくり局の活動における課題や今後の方向性について
教えてください。


(植木)
今度の東京機械跡地にかなりそういう商業施設も出来るでしょうし、
まあそうなってくると大分変わってくるんだろうなと思います。

住民の方からの話を聞いているとやっぱりコンベンションとかホテル
とかっていうのが欲しいなっていう要望
があります。ようは結婚式を
挙げたりするような場所ですね。昔でいうエルシィがあって、
その前は小杉会館という結婚式場だったのですけどその辺に代わる
ものですね。ビジネスホテルじゃやっぱり担えない部分ですよね。

やっぱお客さんが来た時に、お客さんを連れて一緒に食事できる
ような場所がない
とかそういう話ですよね。それはやっぱり我々
としても同じですよね、そういうのがあればそれは魅力的なまちに
なるだろうと。

(下田)
小杉は再開発の規模としてはかなり大きいのですけれども、一体開発
じゃない
じゃないですか。個別の事業者が全部違うんですよ。それは
もともと持っていた所有者が違うのでしょうがないのですけど、
グラウンド地区や西も東も違うし、東京機械も中丸子だって
そうですよ。

その中で役所としてやるのであれば、それをどれだけきれいな形に
まとめることが出来るのか
、というところですよね。地区計画なり
個別事業の誘導なりというのを行ってはいるのですけど、そこら辺の
調整というのは今後の大きな課題なんじゃないかなと思います。

--例えばまち全体の調和を図るといったような話をよく聞きますが、
そういった観点の活動もなにかされているのですか?


(下田)
例えばこの地域でいうならば景観形成地区みたいなものを指定して
いて、まちの景観をトータルでコントロールしようというようなこと
もやっているのですけど、そこも事業者の理解とかがないとなかなか
難しい
ところってあるんですよね。

ご存知かもしれませんが、こういうところの建築物の色彩って、
明度彩度とかをきちんと抑えていて、一定の縛りをかけていて

その中でやってもらいます。

簡単に言えばど派手な色は使っちゃダメとか、カンバンはこういう
風に出しなさいとかルールはあるのですけどやっぱりそれだって、
事業主さんあるいは店子で入るお店の方々のご理解がないと、
そういうトータルでのコントロールというのは結構難しい
ですよ。

そういう意識が住民の人とかに徐々に芽生えれば、昔国立の
マンション紛争で景観の利益みたいな話があったじゃないですか、
そういうことになる前に地域全体で取り組んでいこうという話に
なると思います。まだまだ小杉ではそういうところまで行ってないと
思うので、そういうのって地道な活動を続けていく中で、そういう
意識を持っていくというのが重要
なのかなと思うんですけどね。

--実際景観条例みたいなものはどこまで規制できるものなのですか?

(下田)
景観条例では、建築物のデザインや色彩、広告物の出し方など、
街並み形成に係る方針・あるいは基準を設けています。
方針部分に
ついては街並み形成のイメージを事業者さんにご理解いただくもので、
具体的な数値による規制ではないのですが、基準部分については、
基本的にその数値内にしてもらうことになります。

また、都市計画法に基づく地区計画により、道路等基盤整備の必要性
とか空地の確保、あるいは建ぺい率、容積率部分については
トータルでここまで、ということは言える
のですが、個々の事業に
関して具体的にそこに誘致する施設をどうするかとかということに
なると、そこはほんとに個別の対応
ですよね。それは各担当が相当
苦労してやっているのだと思います。

特に組合施工でやっている西街区、東街区というのは市が都市計画
として事業決定し、地元の人たちが権利者として入っているわけじゃ
ないですか。小杉の中心部分でもあり、公共性の高いこの事業を成り
立たせないといけません。
途中で頓挫させるわけにはいかないので。

■東急武蔵小杉駅ビル予定地と西街区・東街区
東急武蔵小杉駅ビル予定地と西街区・東街区

市街地再開発事業というのは市が指導する立場にあり、補助金を
支出するとともに、事業として成立するために我々は理事会などにも
参加して、こうあるべきだよということを組合さんや事業協力者さんに
言っています。

それと別の範囲では民間が単独でやる民間開発、簡単にいうと補助金
が入ってないというところ
ですね。そうした単独開発をどうやって
コントロールしていくかというと、やはり地区計画なんかである一定の
ルールをかける、あとは個別ごとの協議をしていく中で、市としての
意見を言っていく
ということになります。

--その辺については先ほど伺ったソフト面の整備や地域住民との
活動における関わりはどうなんでしょうか?


(下田)
エリアマネジメントのやり方っていろいろあるじゃないですか。
商業地域でやるのであればほんとに維持管理、街並みの演出みたいな
ものがまず先にある
と思うんですけど、じゃあこの地域でそれを
みなさんが目指すのかというと、将来的にはそういった方向性も大切
だと思いますが、いまのところはそういうふうじゃないのかなって
思うんですね。

もう少し自分達のコミュニティにゆとりが出来てまち全体を見て、
もっときれいなまち、そういうまちにしていこうという話であれば
あるかもしれないですね。例えば新百合ヶ丘などでは、
景観形成協議会といった活動を住民の方が頑張っていて、自分達で
まちをチェックして歩こうみたいなそういう活動をやっているところ
もある
んですけど、そういうところとはまたひとつ違うのかなという
風に思いますけどね。

--そのようなレベルまでまち全体がいくのはなにが必要なのでしょうか?

(植木)
まず話し合いの場が出来ていないと無理ですよね。単に時間がたてば
そうなるかっていうとそうでもないような気がするし難しいですよね。

後編に続く)

【関連リンク】
川崎市公式ウェブサイト まちづくり局
NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント 公式ウェブサイト
2009/11/7エントリ 「キラッと!小杉&丸子モールマップ」
2010/9/26エントリ THE KOSUGI TOWERで「コスタまつり
2010秋」開催

2010/10/19エントリ 武蔵小杉の「ひと」(4):NPO法人小杉駅周辺
エリアマネジメント(前編)

2010/10/20エントリ 武蔵小杉の「ひと」(4):NPO法人小杉駅周辺
エリアマネジメント(後編)

2010/12/6エントリ 武蔵小杉の「ひと」(5):川崎市まちづくり局(後編)

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