武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

川崎市中原区の再開発で変貌する街・武蔵小杉のタウン情報サイト『武蔵小杉ライフ』の公式ニュースブログ。街の最新情報やさまざまな話題をご紹介します。

2009年
07月08日

東京機械製作所玉川製造所の移転が2年延期

hatsushimo.gif

再開発が予定されている東京機械製作所玉川製造所ですが、移転
予定が当初より2年延期
となることが明らかになりました。

玉川製造所の移転先である木更津市の「かずさテクノセンター」
完成予定が、当初プレスリリースで公表した2008年12月末から
2010年12月にずれこむ
こととなったものです。
これは、東京機械製作所が2009年6月30日付で金融庁に提出した
有価証券報告書
において開示されています。

■東京機械製作所の当初のプレスリリース
http://www.tks-net.co.jp/ir/news070329.pdf

■有価証券報告書電子開示システム EDINET
http://info.edinet-fsa.go.jp/
※トップページから社名検索等が必要です。

有価証券報告書の電子開示システム「EDINET」は、トップページへ
のリンクしかできませんので、該当部分の要点を引用しますと、下記
の通りとなります。

■東京機械製作所の有価証券報告書
最近3期におけるかずさテクノセンター新設計画の推移

決算期 着手予定 完了予定 投資予定額
2007年3月期 2007年12月 2009年3月 110億円
2008年3月期 2009年3月 2010年3月 110億円
2009年3月期 2009年10月 2010年12月 65億円

上記は、有価証券報告書のうち「設備の新設、除却等の計画」という
項目におけるかずさテクノセンターに関する記載を抜粋したものです。
この項目については有価証券報告書提出日において確認できる
最新の情報を記載することが定められており、各決算期の提出日は
毎年6月末ですので、基本的に毎年6月末近辺での情報が記載され
ていることになります。
これによると、最新の2009年度(2009年6月30日提出)においては、
かずさテクノセンターの新設は2009年10月着手、2010年12月完成
予定
となっているものです。

それ以前にも、毎年順次予定がずれ込んでいたのがわかりますね。
2007年3月29日のプレスリリースで「2008年12月完成」として
いたものが、2007年6月末提出の有価証券報告書ではすでに「2009
年3月」と3ヶ月延期になっていたわけです。

かずさテクノセンターの新設にあたっての投資予定額を確認すると、
今回提出した有価証券報告書で、従来110億円を予定していたもの
が65億円と大幅に削減
されていることがわかります。
半減に近い投資予定額の変更ですが、これは誤差のレベルの範囲を
大きく超えており、抜本的なかずさテクノセンターの設備内容の見直し
があったことが推察されます。
東京機械製作所は今回の決算において59億円の当期純損失を計上
しており(前期は6億円の純利益)
、それにより設備投資額の見直しを
迫られたものと思いますが、このあたりも、かずさテクノセンターの
進捗が足踏みした理由のひとつかもしれません。

なお、「主要な設備の状況」という項目にも別途、現在保有している
設備資産
としてかずさテクノセンターの土地が記載されていますが、
「新工場建設用地」と内容が記載され、帳簿価額には土地のみが計上
されている(建物や設備は0円)ことから、2009年3月31日現在(※)に
おいてまだ土地を取得したのみ
であることが確認できます。
(※「主要な設備の状況」についてはさきほどと異なり、決算期末日
現在での記載となります)

これにより、2010年12月に工場が完成するとして、実際に本格操業
するのは2011年1月以降
、ということになります。

再開発も当然それ以降になるわけですが、玉川製造所を移転して、
第一製造所跡地(下記写真右手)に大型複合商業施設、第二製造所
跡地(左手)に高層住宅を建設するという再開発の方針には変更は
ありません(今回提出された有価証券報告書にも記載されています)。
東京機械製作所としては、新工場用地を取得済みで今後建設を進め
る以上、経営効率と収益の観点からもこの大きな固定資産の活用
行っていく必要に迫られます。

■東京機械製作所玉川製造
東京機械製作所 玉川製造所

さて、これにより影響が波及すると思われるのが東急武蔵小杉駅に
隣接した新丸子東3丁目地区A地区です。

■新丸子東3丁目地区A地区 東京機械製作所社宅
新丸子東3丁目地区A地区 東京機械製作所社宅

新丸子東3丁目地区A地区は、現在は東京機械製作所の社宅
あり、これを取り壊すことによって再開発(商業・業務系が有力な
ようです)を行う予定となっています。
ただ、やはり基本的に玉川製造所に働く方のための社宅なので
しょうから、玉川製造所が移転しないことには廃止されないものと
思います。

と、なると、この地区の再開発もおのずと2011年1月以降、という
ことになるのではないでしょうか。

ところで、東京機械製作所玉川製造所の移転については、最初の
プレスリリース打ち上げから、日程変更の追加リリースは出てい
ません。

有価証券報告書を読み込めばわかりますが、基本的に投資家保護
を目的とした開示書類
であり、あまり一般に知られた情報の取得方
法とはいえないかな、と思います。
先日の新日本石油社宅廃止延期の件もそうでしたが、計画が変更
になったらその時点で再度リリースを出すのがあるべき姿ではない
かと感じました。

とりあえず東京機械製作所の移転は新日本石油社宅同様、2年延期
ということで(さらに延期される可能性もないとはいえませんが)、もう
しばらく時間のかかる話となります。

【関連リンク】
東京機械製作所 公式ウェブサイト
武蔵小杉ライフ:再開発情報:東京機械製作所地区(大規模工場跡地地区)
武蔵小杉ライフ:再開発情報:新丸子東3丁目地区 A地区
2007/9/18エントリ 新丸子東3丁目A地区に商業・業務施設、B地区にマンション?
2008/1/30エントリ 東京機械製作所 玉川製造所の再編
2008/2/14エントリ 綱島街道拡幅と東京機械製作所
2009/5/1エントリ 綱島街道拡幅用地の有害物質とビニールシート
2009/6/21エントリ 新日本石油「小杉社宅」廃止が2年延期、再開発は
2011年3月以降に

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