武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2016年
04月25日

JR向河原駅から延びる、歴史の遺構。「市ノ坪短絡線」廃線跡の緑道を巡る

【Reporter:はつしも】

2015/5/11エントリにおいて、JR南武線向河原駅の「開業88周年記念展示」について取り上げました。
その展示の中で、かつて向河原駅と新鶴見駅を結んでいた貨物線「市ノ坪短絡線」が掲載されていまして、向河原駅に残る跡地をエントリ中でご紹介をしておりました。

今回は、その貨物線跡地の遺構を、めぐってみました。

■「市ノ坪短絡線」の跡地マップ
市ノ坪短絡線のマップ 

南武線はかつては私鉄の「南武鉄道」であり、多摩川の砂利を運ぶなど貨物列車として活用されていました。

当時、国鉄・私鉄間の貨物列車直通はできなかったため、向河原駅に貨物受け渡しの設備が作られ、JRの貨物路線と接続するために、上記マップのような短絡線が1929年9月11日に作られました。

1944年に南武鉄道が国有化されてからもこの短絡線は使用されていたようですが、貨物専用の武蔵野南線(地下の貨物線)が整備されたことによりその役目を終え、1973年10月1日に廃止となりました。

■向河原駅下りホーム脇の貨物線跡地
向河原駅下りホーム脇の貨物線跡地

前回エントリでご紹介したのが、JR向河原駅に残る貨物線(市ノ坪短絡線)跡地です。
下りホームの脇に残されたスペースにかつて貨物線が引かれ、南武鉄道と国鉄の貨物受け渡しが行われていました。

今回はこの先、現在のJR線との合流地点までをたどっていきましょう。

■南武線下のトンネル
 南武線下のトンネル

向河原駅からしばらくは、短絡線沿いはNEC玉川事業場と南武線に挟まれて近づくことができません。

玉川事業場の南端あたりで徐々に短絡線が南武線から離れ始め、こちらの南武線下の小さいトンネルをくぐると、市ノ坪短絡線跡地に到達することができます。

■市ノ坪短絡線の両面橋台
市ノ坪短絡線の両面橋台

市ノ坪短絡線の両面橋台

南武線のトンネルをくぐると、「中丸子老人いこいの家」の前に、市ノ坪短絡線の「両面橋台」が見えてきます。
この上に、かつて貨物線の線路が敷設されていたわけです。

現在では歩道がスロープになっていて、この橋台の下をくぐるような高さはありません。
おそらくこれは市ノ坪短絡線廃止後に改良したもので、従来はこの下が、先ほどの南武線と同じようなトンネル通路になっていたのではないでしょうか。

■両面橋台から先の緑道
両面橋台の先の緑道

そしてこの両面橋台の先は、中丸子の住宅街の中に入っていくことになります。
現在は、廃線跡地が緑道として整備されています。

■廃線跡地の緑道
廃線跡地の緑道

廃線跡地の緑道

廃線跡地の緑道には、各所にベンチ、水道、鉄棒などが設置されていました。
どなたでも利用できる公共スペースになっています。

■緑道を横切る道路
廃線跡を横切る道路

川崎市立橘高等学校の近くに至ると、緑道を横切る道路があります。
確認はできませんでしたが、ここはかつては踏切が設置されていたのかもしれません。

■廃線跡の終わり
廃線跡の終わり

■枕木で作った柵
枕木を使った柵 

JRとの合流地点にあたる緑道の終点は、地名でいうと中丸子を抜けて市ノ坪に入ります。

終点付近には、鉄道の枕木を使った柵が残されていました。
これもひとつの遺構といえるでしょう。

■線路跡と思われる遺構
線路跡と思われる遺構


■地面に埋め込まれたレール
地面に埋め込まれたレール

またこの付近には、線路跡と思われる遺構がありました。
上下線それぞれ、レールの跡のようなものが残されています。

■鉄道境界標
鉄道境界標


そしてこちらは、鉄道境界標です。
鉄道境界標とは、その名前の通り鉄道用地の境界を示すもので、国鉄のものはカタカナの「エ」のようなマークで、線路の断面をモチーフにしています。

■緑道終点隣接のマンション開発
緑道終点隣接のマンション開発

緑道終点隣接のマンション開発

緑道終点の、JR線との交点では住友不動産によるマンション開発が行われていました。
市ノ坪短絡線が開通してから80年以上の間に、沿線の風景は大きく変わってきたことでしょう。

■御幸踏切を通過する湘南新宿ライン
 御幸踏切を通過する湘南新宿ライン

緑道の終点からJR線沿いに北上していくと、御幸踏切にぶつかります。
ここでは今も新幹線・横須賀線・湘南新宿ラインなどさまざまな旅客鉄道のほか、貨物列車の姿を見ることができます。

武蔵小杉周辺は鉄道路線が集積していますので、さまざまな歴史がありますね。

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