武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

川崎市中原区の再開発で変貌する街・武蔵小杉のタウン情報サイト『武蔵小杉ライフ』の公式ニュースブログ。街の最新情報やさまざまな話題をご紹介します。

2011年
03月27日

川崎歴史ガイド・中原街道ルート(12):「小杉十字路」

hatsushimo.gif

川崎歴史ガイド・中原街道ルートの第12回は、「小杉十字路」です。

小杉十字路は現在も広く使われている名称であり、中原街道と府中
街道の交差点
のことを指します。中原街道のこの地点が府中街道
との交差することになったのは1897年(明治30年)以降のことになり
ますが、当時は小杉の中心地としてたいへん賑わっていたようです。

■小杉十字路
小杉十字路

「川崎歴史ガイド」の冊子によると、
「料理屋、旅館、劇場、人力車屋、床屋、医院、郵便局などが
集まり、このあたりの人々が『ロンドン・パリ』と呼んだ」

とされています。

鉄道が発達した現在とは違い、当時は街道が主要交通網でしたので、
2つの街道が交差する小杉十字路は、今で言えば東急線とJR線が
交差する武蔵小杉駅のような交通の要衝
だったのでしょう。

ロンドン、パリほどの大都会だったかどうかはさておき、1913年
(大正2年)に中原街道・府中街道を乗合馬車が走った際には、
この十字路が停留所となる
など、間違いなく小杉の中心地としての
役割を果たしていました。

■当初のガイドパネル設置場所
当初のガイドパネル設置場所

さて、小杉十字路のガイドパネルはというと、当初はこの角地の
マンション「クレストフォルム小杉御殿町」の敷地内に設置
されて
いたのですが、現在ではここにガイドパネルの姿はありません。

「クレストフォルム小杉御殿町」の建設に伴い、ガイドパネルはここ
から移設
されています。

■マンション建設前のガイドパネル

マンション建設前のガイドパネル

こちらがマンション建設前、まだ更地の状態の敷地に残されていた
ガイドパネル
です。
この時、すでに周囲は柵に囲われていましたので、外からパネルを
見ることはほとんどできない状態でした。

■移設後のガイドパネル
移設後のガイドパネル

移設後のガイドパネル

そしてこちらが現在のガイドパネルで、小杉十字路の交差点内に
移設
されています。
交差点の信号を渡る途中の植栽部分にありますので、ちょっと
ゆっくり見られるような場所ではないのですが、とりあえず保存
されていて良かったと思います。

       ※       ※       ※

さて、小杉十字路の歴史の話に戻りますと、1913年(大正2年)から
運行された乗合馬車は1918年(大正7年)には乗合自動車に変わ
り、さらに1926年(昭和元年)以降に現在の東急東横線、南武線
が開通
するなど、中原街道周辺の交通網は大きく変わってきま
した。

特に鉄道開通後は、交通の要衝は現在の武蔵小杉駅周辺に
徐々に移っていき、それに伴って中心市街地も駅周辺へと移転

していくことになりました。

現在の小杉十字路は、「ロンドン・パリ」のような賑わいはありま
せんけれども、交通量の多い交差点であり、たくさんの車が行き
交うという点では昔から変わっていません。

ただ、周辺では新しく交番が移転してきたり(2010/4/25エントリ
参照)、先ほどの「クレストフォルム小杉御殿町」以外にも「武蔵小
杉・キックオフマンション」
2010/6/12エントリ参照)が建設されてい
たり、中原街道の拡幅が進められているなど、十字路の風景は
今も少しずつ変わり続けています。

■「小杉十字路」周辺マップ
「小杉十字路」周辺マップ

【関連リンク】
(川崎歴史ガイド・中原街道ルート連載)
2009/9/23エントリ (1):「丸子の渡し」
2009/10/6エントリ (2):「旧原家母屋跡地」
2009/11/9エントリ (3):「旧名主家と長屋門」
2009/11/29エントリ (4):「明治の醤油作りと八百八橋」
2009/12/21エントリ (番外編):「武蔵小杉駅の八百八橋」
2010/2/9エントリ (番外編):「丸子の渡しガイドパネル入札不調」
2010/2/14エントリ (5):「小杉御殿と『カギ』の道」
2010/3/30エントリ (6):「小杉御殿の御主殿跡」
2010/5/23エントリ (番外編)「中原区役所の八百八橋」
2010/6/28エントリ (7):「小杉陣屋と次大夫」
2010/7/19エントリ (8):「御蔵稲荷と多摩川」
2010/8/19エントリ (9):「西明寺と小杉学舎」
2010/11/12エントリ (10):「小杉駅と供養塔」

2010/4/25エントリ 小杉十字路の小杉交番完成
2010/6/12エントリ 小杉御殿町の「キックオフ」と「ノーサイド」

Comment(0)