武蔵小杉ブログ(武蔵小杉ライフ 公式ブログ)

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2013年
08月16日

川崎歴史ガイド・中原街道ルート(15):「旧中原村役場跡」

 

2011/9/4エントリ以来、1年11か月ぶりの「川崎歴史ガイド・中原街道ルート」の連載シリーズです。

財団法人川崎市文化財団の事業に、市内の歴史文化遺産の保存と紹介を目的とした「川崎歴史ガイド」があります。これは市内の歴史をたどる9つのルートを設定し、現地にガイドパネルを設置するほか、パンフレットを作成して当該地域の歴史を紹介するものです。
中原区においては、「中原街道」と「二ヶ領用水」がルートに設定されており、本連載では「中原街道ルート」の紹介を行っています。

第15回目となる今回は、「旧中原村役場跡」をご紹介します。

■「旧中原村役場跡」のガイドパパネル
 「旧中原村役場跡」のガイドパネル

旧中原村役場があったのは、小杉十字路から泉沢寺を越えて、武蔵中原方面に200mほど進んだところでした。現在、中原街道の歩道にガイドパネルが立てられています。

中原村は、市制・町村制の施行により1889年(明治22年に)誕生しました。橘樹郡上丸子村・小杉村・宮内村・上小田中村・下小田中村・新城村が合併したものです。

新しい村名となった「中原村」は、ご存じの通り中原街道から取られたものです。

ただ考えてみれば中原街道とは平塚市の中原まで至る街道であるためその名前がついたもので、現在の中原区に由来があったわけではありません。綱島街道が通っているからと小杉が綱島を名乗るのと同じようなことで、やや不思議な感じもいたします。

そういえば、「川崎市」というのも東京から見た「川の先」がもとであるという説もあります。
となると「川崎市中原区」とは、
「東の京から見た川の先で、平塚の中原まで行く途中」
という、よくよく紐解いていくとアイデンティティがぼやけた地名にも思えます。

ただ現在では「中原区」もすっかり定着して、違和感を感じることは特にありませんね。

■ガイドパネルの周辺
 ガイドパネルの周辺

現在では中原街道の現地に役場の名残はありませんが、当初は木造平屋の村役場が建てられていました。

役場の場所は「村の中心」にすべし、ということで、「中原村」を通る中原街道の両端から実測を行い、ちょうど中間点が村役場として定められたそうです。
これはやはり「中原村」の誕生に当たり6つの村の合併を行ったためで、「おらが村」同士の綱の引き合いがあったことをうかがわせるエピソードです。

二ヶ領用水の農業用水も水の分配でたびたび争い事になったといい、そのために水を正確に分配する「円筒分水」がつくられました。まさに「我田引水」の争いですね。

こういった市町村同士の綱の引き合いは、「平成の大合併」でも各地でありましたので、きっと当時も同じようなことがあったものと思います。
そう考えてみると、「中原区」という名称も、従来の6つの村の名前とは全く別のもので異論が出にくく、まとまりやすかったのかもしれません。

また裏返せば、村役場の場所を決めるにも村の名前を決めるにも、「中原街道」の存在が非常に大きなものであったことがわかります。

■中原街道を見守るフクロウ
 中原街道を見守るフクロウの石造

 



最後に余談ですが、村役場の名残をさがしてガイドパネルの周辺を見渡すと、電柱とガードレールの間に挟まれて、中原街道を見守るフクロウの石造がありました。

それほど古いものではなく、眼にはガラス玉がはまっています。

傍で営業していた石材屋さんが設置したものかしら…と思いつつ、公共用地ですっかり一体化した石造をじっと眺めてしまいました。

「川崎歴史ガイド・中原街道ルート」は武蔵中原駅を終着として、番外編を除き本編は残すところあと3回ほどとなります。また不定期連載となりますが、今回ほどは間をあけずまたどこかでエントリしたいと思います。

【関連リンク】
(川崎歴史ガイド・中原街道ルート連載)
2009/9/23エントリ (1):「丸子の渡し」
2009/10/6エントリ (2):「旧原家母屋跡地」
2009/11/9エントリ (3):「旧名主家と長屋門」
2009/11/29エントリ (4):「明治の醤油作りと八百八橋」
2009/12/21エントリ (番外編):「武蔵小杉駅の八百八橋」
2010/2/9エントリ (番外編):「丸子の渡しガイドパネル入札不調」
2010/2/14エントリ (5):「小杉御殿と『カギ』の道」
2010/3/30エントリ (6):「小杉御殿の御主殿跡」
2010/5/23エントリ (番外編)「中原区役所の八百八橋」
2010/6/28エントリ (7):「小杉陣屋と次大夫」
2010/7/19エントリ (8):「御蔵稲荷と多摩川」
2010/8/19エントリ (9):「西明寺と小杉学舎」
2010/11/12エントリ (10):「小杉駅と供養塔」
2011/2/11エントリ (11):「庚申塔と大師道」
2011/3/27エントリ (12):「小杉十字路」
2011/4/7エントリ (番外編):「中原区役所の八百八橋」リニューアル
2011/5/3エントリ (番外編):「中原区役所の八百八橋」看板設置と
石橋ベンチ

2011/7/9エントリ (13):「二ヶ領用水と神地橋」
2011/9/4エントリ (14):「泉沢寺と門前市」
2012/12/1エントリ 「安藤家長屋門」が川崎市指定文化財に、本日12月1日(日)に一般開放
2013/2/9エントリ 「安藤家長屋門 川崎市重要歴史記念物記念イベント」が2013年3月14日(木)、30日(土)開催
2013/2/12エントリ 川崎市重要歴史記念物「安藤家長屋門」一般公開レポート

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